フィラメント―漆原友紀作品集

フィラメント

漆原友紀

出版社 講談社
発売日 2004.09
価格  ¥ 590(¥ 562)
ISBN  4063143570
★★★★☆
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「蟲師」を描くことのきっかけになったという「虫師」が収録されている初期作品集だというので、衝動買い。
昔の匂い漂う「どこかの時代のどこかの話」ではなく、戦後間もなくのような学生服に似た服を着た虫師の主人公。ちょっと厭世観にまみれているところが、またすれてて可愛いかも。
兄貴分の柊十郎。このヒトも一筋縄では行かない感じが好き。
2話しかないけれども、もっと別の形で話が続いていきそう。あ。だから「蟲師」があるのか。
でも別の世界観だからこのキャラクターが生きるような感じで書いてほしいなぁ。好きだよ。このはなし。

他にも、漆原友紀独特の不思議な透明感に満ちた短編がたくさん。
「岬でバスを降りたひと」が一番好き。
田舎のバス停。私は昔殆どバスを使わなかったけれども、近所でバスに乗ると、こんなひなびたバス停(海は近くになかったけどね)に行き着くような路線沿いに住んでいた。
バス停の近くに小さなタバコ屋。
そこでバス停を降りるひとを数える子ども。
…1日の行きと帰りで、降りるひと/乗るひとの数が合わない。
そういう人たちは…岬で…。

人生のハザマを見ているような、でもけしてそこに入り込まないように。ひとの人生まで抱え込まないように淡々と日常を暮らすおばあさん。私もこういう人になりたいねぇ。

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元旦の子どもたち

朝は7時過ぎから起きていた子ども達。親は元旦から寝坊して、しかも朝ごはんもゆっくり作っていたので、朝ご飯のお雑煮を食べさせたのは朝だか昼だか既にわからない時刻。

それでも、子ども達は元気いっぱいにお餅が一つ入ったお雑煮を食べる。紅白かまぼこ。伊達巻は美味しいからいくらでもお代わり。昆布巻き。松前漬けは2号はだいぶ気に入ったらしい。2日目、3日目で辛くなると人気がなくなるので、今年の味付けはだいぶ薄め。
栗きんとんと黒豆。お代わりしながらどんどん食べる。
このちっちゃい身体のどこに入るんだろうねぇ。

しかしいくら元旦だからって、家の中じゃ子ども達は体力を持て余しているようだ。
食後時間が経つにつれ、ケンカが増えて機嫌が悪くなる。
ぴょんぴょこ家の中ではねて、走り回って、ぶつかって泣く。
ええい、うるさいなぁ。体力持て余しているよ。この子達。

ビデオも功を奏さなくなってきたので、元旦からやっているサティにお出かけ。
プレイスペースで遊ばせよう…としたら、ゲームコーナーに行っちゃった。
乗り物には乗せないぞー。ということで絶対にコインは入れないけれども、
「乗り物じゃなければいいよ」
と飼猫氏は1号とエアホッケーをやりだす。

あ。そろそろ子ども達も疲れて来て眠そうだわ。
途中、コーンのアイスを食べて、家に帰る。…子ども達、車中で寝てしまうが、家に着くと同時に1号は起きる。

2号は寝たまま。…今も寝たまま。
う〜ん。結局、朝昼兼用の雑煮ほかを食べたあとは、車中でハイチュー2個とアイスだけ。
夜中に起きてハラ減った〜!とか泣きそうで怖い。

というわけで今年も最初から飛ばしっぱなしの1号、2号。
今年もよろしくお願いいたします。

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はじまりの物語・ひこうき

上野与志構成・文・徳田秀雄絵

出版社 チャイルド本社
発売日 1992
価格  ¥ 612(¥ 583)
ISBN  4805483156
★★★★☆
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1号にとっては、生まれたときから新幹線があって蒸気機関車もあって、飛行機もあって、消防車や救急車も…。
そういうものにも「はじまり」があるってことが最近どうやら漠然とわかってきたらしい。
たまに
「昔は消防署とか無かったの?」
とか訊くようになってきたので、ちと会話にも幅が出来て面白い。

だいぶ前に買った、小学生向けの伝記小説「ライト兄弟」はまだぜんぜん読まれないけれども、古本屋で買ったこの絵本はすぐに興味を示した。

イカロスの伝説やダ・ヴィンチの飛行機の設計図の話を前立てとして、ストーリィのメインは
 ・オットー・リリエンタールによるグライダーの発明と、
 ・ライト兄弟のエンジンを積んだ飛行機の発明。
最後にジェット機の構造にふれて終わる、というストーリィ。

うんうん。こういう正攻法の歴史の本っていいよねぇ。

? posted by Yumikoit at 10:30 pm pingTrackBack [0]

 

いとう家のお節

明けましておめでとうございます。

元旦の朝は多少の寝坊。でも元旦から洗濯機を回して…パジャマ、今日中に乾くといいんだけどな。
いとう家では、元旦の朝ごはんは雑煮。
2日の朝ごはんは磯辺巻き。3日の朝ごはんか昼ごはんに、餡子餅。
カレーやふりかけ、お茶漬けなどご飯に「かける」メニューは七草粥までやってはいけない、という習慣がある。
七草粥までダメなのは、他に混ぜご飯、炊き込みご飯、散らし寿司などの「混ぜる」ご飯も。由来はよく知らない。これは飼猫氏の実家の風習の持込だから。

私の実家は、雑煮は具は大根のみの味噌仕立てだったけど、大根が苦手な飼猫氏はそれは無理。
だもので、我がいとう家風では大根と人参のいちょう切り。澄まし汁仕立て。青菜を散らして。ホントは三つ葉を使うんだけどね。
そういや今年は鶏肉入れるの忘れたな。<おぃ!

仙台の紅白かまぼこ。伊達巻。実家から送ってもらった黒豆の煮豆。
私が作るのは、栗きんとんと松前漬けくらい。煮物は作り置きにすると子ども達があまり食べないので、大量には作らずに夜ご飯にあわせて一回分ずつ作る。
お重にはそもそも詰めないでいたけど、今年は紅白かまぼこと伊達巻、昆布巻きはお重に詰めてみる。…うん。いい感じじゃない。

と思っていたら。
子ども達が元旦の朝ごはんだけで、かまぼこお重を半分以上食べちゃった…。夜ご飯にお重を広げると、どこから見ても哀しい食べ残しって感じ。う〜む。

? posted by Yumikoit at 09:24 pm commentComment [2] pingTrackBack [0]

体験を広げるこどものずかん・きょうりゅう

体験を広げるこどものずかん

出版社 ひかりのくに
発売日 1997.07
価格  ¥ 1,050(¥ 1,000)
ISBN  4564200763
★★★★☆
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年末最後に読んであげたのがこれ。
戦いごっこの影響か、怪獣ってホントにいるの〜?とかいうようになった。秋口には白山の方にある恐竜ランドにも行って、恐竜のうなり声と思われる合成の声にも「きゃ〜♪」と悲鳴を上げていた1号である。
というわけで、だいぶ前に買ったのを引っ張り出してきた。
対象年齢としては小学生低学年向けかと思われるが、色々な恐竜が分類分けされて描かれている。

どうも1号は、ティラノサウルスとかプラテノドンといったステレオタイプの「怖い恐竜」のイメージがまだできていないせいか、まだ怖がらない。
むしろプラキオサウルスのような身体の大きいタイプの恐竜の方が怖いのね。ゾウと同じで草食だから、身体が大きくても怖くないよって言ったんだけどね。

最後のページには、掘り起こした化石をどんな風に復元するかの説明のイラストまである。そういや学生時代に夏の勉強会で会った他大学の学生さんがナウマンゾウの発掘に参加したことがあるんだとかなんだとかで、色々聞かせてくれたことがある。
乗り物ばっかりじゃなくて、いろいろな方面の絵本を読むのは私も楽しいし、1号の世界も広がしそうなので嬉しい。

? posted by Yumikoit at 10:00 pm pingTrackBack [0]

 

愛と死をみつめて

愛と死をみつめて

東城和実著

出版社 新書館
発売日 2001.01
価格  ¥ 546(¥ 520)
ISBN  440361616X
★★★★★
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2,001年1月発売って…今まで気づかなかったわけ?私。
つーか、その時期って一番1号関連でばたばたしていた時期か。

というわけで実は大好きなこの「黒いチューリップ」シリーズ。いつの間にか第6弾である。
脱力感に見舞われるナンセンスギャグの中にも過去に流行したコミックスなどのパロディなどがちらほら見えてそこがまた楽しみ方のひとつでもある。
今回はやっぱりウナギイヌならぬ、ウナギ麻呂が秀逸♪でしたなぁ。

? posted by Yumikoit at 06:42 pm

 

大晦日のカード遊び

というわけで大晦日である。今日で今年もおしまいである。

昨日までは買出しだなんだとクルマでの外出が多かったが、朝からばたばたと家の中の用事を片付ける私。飼猫氏は子ども達を連れて灯油の買出し。ついでにレンタルビデオ屋で子どものものを借りてくる。
それでも遊んで欲しい1号。構って欲しい2号。

最近、1号がはまっているのは幼稚園のクリスマス会で貰ったどうぶつ絵あわせカード。
2枚一組で、組み合わせるとどうぶつの絵が完成するようになっている。これがたくさんあって、神経衰弱の要領で床に伏せたカードを順番にめくってあわせていくのである。
カードの遊び方を見ながら教えたらあっという間に覚えて、以来、毎日のように誘われる。
しかも勝つと怒られる…(TT)

冬休みに入ってお友達の家で遊んだ時にも、早速誘ってお互いにやっている。
それで気がついたんだけど、みんな少しずつ遊び方が違うのね。
我が家は、カードの遊び方にあったとおり、神経衰弱の遊び方なんだけど。たまにババ抜き。
K美ちゃんは、裏に伏せないでただ同じ動物のカードを捜して、絵をあわせて遊ぶのが好き。Tまくんは見向きもせず、戦いごっこに集中。
K人くんは1号と一緒に神経衰弱。

Nちゃんは…すごい。どうぶつのカードの片方を全て一人が持ち、もう片方のカードは全て場のカード。
そしてカルタの要領で出された質問を元に、場のカードをみんなが取っていく方式。
しかもただ「うさぎ!」「わに!」ではなく
「みみがながくて、しっぽがまるくて…」
「緑色の大きな身体をしていて、背中はごつごつ」
などと、質問者が動物の絵を元に色々質問文を考えるのだ。すげ〜。これは表現力がつくぞ!

というわけで強い刺激を受けて帰ってきた1号は、ここ2,3日この新しい遊び方にハマっている。
「クマ」の出題では
 身体が大きくて、どんぐりとか食べる。
 でも山にどんぐりが少ないので最近近くまで降りてきた
なんて今年の世相を反映した言葉もあって子どもの吸収力にビックリ:o

? posted by Yumikoit at 05:25 pm

サンスウランドの大冒険・廃墟の老魔女

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篠木昭弘原案・山口裕一文・構成・伊藤博幸絵

出版社 リブリオ出版
発売日 1991.04
価格  ¥ 630(¥ 600)
ISBN  4897842336
★★★★☆
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星が多いのは、毎回これを1号が面白いように話を再構成して(でっちあげともいう)、読み聞かせる飼猫氏の手腕?に敬意を表したから。
だって、だってね。
今回はなんと、小数点ですよっ。4歳の、幼稚園年少の子が小数点の算数を扱った絵本なんて、読めるわけないじゃないですかぁっ!

という訳で、このシリーズの本は極力嫌がると知った1号は
「今日はね。おかーさんには読めない絵本なの」
と言ってこれを取り出した。

飼猫氏は 絵を見て、細かい文字の文章をさらっと流し見て。

一応、廃墟の柱を大体揃った長さにしたい魔女。
さまざまな長さの柱を、小数点を使ってこれとこれの柱を組み合わせれば…というストーリーらしいが。
今回は飼猫氏は、絵を見せながらたくさんの柱に筋で区切られている長さ。これをうまく組み合わせれば全部同じ長さに出来るよ、といったことを、少数という概念無しに「でっちあげ」で話したらしい。

「1号はそれなりには、こんなもんだと思ったみたいだよ」
というが、それで面白いと感じなくちゃ、同じシリーズの本を借りてこないと思うんだよね。だって3冊目だよ。このシリーズ。
次借りてきた時もよろしくお願いします。飼猫氏。

? posted by Yumikoit at 10:15 pm

 

熱く見つめあう…

年末の買出しでクルマを出してもらう。

2号も設置が楽なジュニアシートにしたおかげで、最近は子ども達がそれぞれ好みの座席を選ぶようになった。
「さ〜。今日は誰が助手席に乗るんだっ」
「2ごー、2ごー、おとーしゃん、となりー」
「えっとーボクはねー。おかーさんの隣ー」
というわけで今日も特に争いも無く、座席決定。

走り始めて間もなく、1号が
「おかーさん。この(後部座席の真ん中においてある)ジャンパーとかそっちにおいて、僕の隣に来て」
…確かにそれを動かしたら、1号のとなりべったりに座ることになる。後部座席の両脇の席は座りやすいようにへこんでいるが、中央の座席はへこんでいないからイズいんだよなー。
 # イズい:仙台地方の方言と思われる。居心地が悪い、といった意味。

更に1号からの注文。
「おかーさん、手、握って。離さないでー」
……だから私の右腕をガシッと抱え込んで離さないのは止めろ〜。

更に更に、1号の注文。
「おかーさん、もっとこっちみて。僕を見て
 ず〜っと見て。そっち見ないで」
……やだよ。そんなクルマの中でわざわざ脇向いてまで、ずっと子どもの顔見つめていられるか。恋人同士でもないのに。そーゆーのは大人になってから女の子とやんなさい。

? posted by Yumikoit at 10:00 pm

 

ワインカラー物語

ワインカラー物語

かがみあきら

出版社 角川書店
発売日 2004.12.25
価格  ¥ 1,260(¥ 1,200)
ISBN  4048538217
★★★★☆
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かがみあきらの一番古い記憶は、ほぼ同時にかがみあきらの死の前後の記憶でもある。
当時買っていた「アニメディア」の読者投稿のイラスト欄で、大抵一番大きい扱いを受けていた、かわいらしい女の子のイラスト。
あごの線が細く、セーラー服やかわいらしいアラン模様のセーター。
あやとり。

そして誌上にて訃報が、生前のいくつかのイラストと一緒に掲載されたかもしれない。
それほどまでに、早すぎる死であったのだろう。

彼が漫画家としてデビューしていたことすら、実は知らなかった。
「ワインカラー物語」という題名は、最初2色原稿であった表題作に由来するらしい。
かがみあきら選集とはいうものの、その多くは楽屋落ちだったり、ストーリーが整理されていなかったりしているけれども。

それでも、解説で触れられているように、生きることに戸惑いを覚えていたり、自分のやりたいことがはっきり見えていなかったり。そういうことをふざけて隠すことしか知らない世代の、がむしゃらさが、初々しくて読みふけってしまった。うん。初々しいよ。これ。

? posted by Yumikoit at 09:47 pm

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