かがみあきら
出版社 角川書店
発売日 2004.12.25
価格 ¥ 1,260(¥ 1,200)
ISBN 4048538217
かがみあきらの一番古い記憶は、ほぼ同時にかがみあきらの死の前後の記憶でもある。
当時買っていた「アニメディア」の読者投稿のイラスト欄で、大抵一番大きい扱いを受けていた、かわいらしい女の子のイラスト。
あごの線が細く、セーラー服やかわいらしいアラン模様のセーター。
あやとり。
そして誌上にて訃報が、生前のいくつかのイラストと一緒に掲載されたかもしれない。
それほどまでに、早すぎる死であったのだろう。
彼が漫画家としてデビューしていたことすら、実は知らなかった。
「ワインカラー物語」という題名は、最初2色原稿であった表題作に由来するらしい。
かがみあきら選集とはいうものの、その多くは楽屋落ちだったり、ストーリーが整理されていなかったりしているけれども。
それでも、解説で触れられているように、生きることに戸惑いを覚えていたり、自分のやりたいことがはっきり見えていなかったり。そういうことをふざけて隠すことしか知らない世代の、がむしゃらさが、初々しくて読みふけってしまった。うん。初々しいよ。これ。
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