夜ご飯の前の時間。
手伝うように言ったところ、子ども部屋から出てきた1号がふと止まった。
「金魚、死んでねぇ?」
えっ、と水槽に駆け寄る2号。飼猫氏も出てくる。
1年半ほど前に1号が2号の誕生日にプレゼントした金魚 。残念ながらその前からいた金魚はその後まもなく死んでしまった が、この2匹の金魚を2号は大事に世話していたのだ。
ぐったりと下に沈んでいる1匹。
飼猫氏がすくい上げると、調べる。
「これだけ大きな傷があって、水槽のここと、ここにぶつかったあとがある。目が白く濁ってないから死んですぐだね」
と2号に手渡して、埋めてくるように言った。
そういや昨日の夜、テレビを見ていて水の循環装置の出す水音がずいぶん大きくて、『水が足りなくなっているのかな』って思ったんだった。水量が足りなくて、それで飛び跳ねて壁にぶつかったんだろうか。
夕ご飯の手伝いをしながら1号が言った。
「自殺行為をしちゃったわけか…」
あんたさぁ。2号が今埋めに行ってていないからまだしも、それを聞いたら2号が泣いて怒ると思うよ。…黙り込む1号。
帰ってきた2号がしばらく泣いていた。ご飯を食べながら
「まだ埋めちゃいけなかったかもしれない。もしかしたら気絶してただけかもしれない」
と諦めきれない様子。気絶していただけなら、水からあげた時にきっと呼吸ができなくて苦しそうにするだろう。
代わりを買ってやりたいが、もうこれだけ大きくなっている金魚、相棒を買ってやったらきっと喧嘩するよね…。
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