藤本ひとみ著
出版社 講談社
発売日 2001.11
価格 ¥ 1,995(¥ 1,900)
ISBN 4062109875
「ジャンヌダルクの生涯 」が 裏・ジャンヌダルク伝記で こちらは表といったところかな。
エッセイの形で書かれた「ジャンヌダルクの生涯」を読んだところでこちらを読んだのでどんなことを考えながらこんな風にストーリー展開にしたのかな、とか考えながら読むのが面白い。
ジャンヌダルク、というと資料が少ない人物である。
実際のジャンヌよりも、後世付け加えられたイメージが強すぎるんだろうな。
それだけに「生のジャンヌダルク」を書こうとすると難しいかもしれない。
本書の場合には ラ・ピュセル と対比する人物として同じジャンヌという名前の対極にある人物を使って ラ・ピュセル ジャンヌダルクの内面を書こうとしているように思う。
最後まで神の使い/聖女として振舞うジャンヌダルクと、さまざまな形で彼女を利用する人々の中の一人、元娼婦のジャンヌ。
ジャンヌは王太子シャルルに取り入るための道具として、ラ・ピュセル…ジャンヌダルクに接近し、彼女に付き従い彼女を導いて行く経過を用いてジャンヌダルクの生涯を描く。
しかしどうも藤本ひとみの文章を読んでいるだけで無意識にジャンヌダルクよりもはるか後世の中世ヨーロッパを思い描いてしまうのは、条件反射???
この記事に対するコメント[2件]
1. ジャンヌ大好き少女 — May 8, 2006 @20:39:25
Yumikoit May 9, 2006 @12:40:04
ジャンヌダルク。確かにまとめて読もうとするとこれって本がなかなか無いですよね。
中公文庫のも以前持ってたけど、そちらも人物像として余りはっきり書いていなくて、謎の多い人物なんでしょうが小説としては面白みが無かったし。
コミックでは安彦良和氏が書いていますね。ジャンヌ。
こちらの方が人物像としては納得がいったんですが、ストーリィの組み立てがイマイチで、私としてはどうかなぁ、と思いました。
藤本ひとみ氏の書くジャンヌ像。
本屋だと確かに探すのが難しいかも。最近は図書館の蔵書も、ネット経由で検索できるようになっている市町村も多いから、そのほうが見つかるかもしれませぬ。
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