藤本 ひとみ著
出版社 講談社
発売日 2001.1
価格 ¥1,785 (本体: ¥1,700)
ISBN 4062105152
ジャンヌダルクというと、私は過去に中公文庫か岩波のを読んでいると思うけれども、その時にはあまり古い史実なのか、なんというのか具体性に欠けるような読後感だった。
安彦良和氏 も描いてるけれども、こちらもジャンヌのように神の啓示を受けてたった一人の少女を描く、というカタチを通じてジャンヌの信仰心を表現しているので解釈という点において評価の分かれるところかもしれない。
本書は藤本ひとみ氏の著作ということで読み始めたけれども、いわゆる小説ではなくジャンヌの生涯を追いながら、フランスを旅した著者のエッセイの形を取っている。
だから小説にはなかなか書けなさそうなちょっとしたウンチクのようなそんな仕上がりかもしれない。
ジャンヌ・ダルクの「ダルク」という姓には、「ダルク」説と「ド・アルク」説(つまりジャンヌは貴族だった!)があるとか、ジャンヌの甲冑を元に体型を推測すると1メートル58センチの女偉丈夫だったとか。
ジャンヌが王太子をつれて通ったシャロンの町は、実はアントワネットとルイ16世の一行が革命期に脱出した折に、あまりに豚足が美味しいあまりについつい長居をしてしまって、それが元で捕まったとか、そういう笑える逸話もあって面白かった。
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