「ねぇ〜。1号。前髪、邪魔じゃない?」
「いやー」
んな訳ないじゃない、しょっちゅうかき上げてるもの。
「目に入りそうだよ」
「いいの!」
しかし1号って髪が伸びると女の子っぽい顔立ちに見えるんだよねぇ。
そんなに前髪長いんだったら、ピン止めで留めちゃうぞ」
「やって!」
…お?
「お友達の女の子みたいに、赤いピン止めで留めちゃうぞー」
最近男の子っぽくしたいようなので、これで切らせてくれるかな?
「とめてとめてー♪」
「赤いピン止めで留めちゃったら、1号、女の子みたいだね!」
「やってー」
ううむ。自分で持ちかけておいてナンだが、それはちょっと、いやだ。
「お友達のNちゃんもさ。髪の毛短くしてかわいくなったんだから、1号も切った方が可愛くなるよー」
ええい。最後の切り札。
「切るの、今日にする?明日にする?」
「明日!」
「じゃあ、今日は2号切ろうねっ。今日、髪の毛切りたい子手を上げてー!」
はぁぃ!と二人いっせいに手を上げる。やったね。
「よし、じゃ、今日は1号切って、明日2号切ろうねっ」
風呂を早めに用意して、1号には古いTシャツ。その上から散髪ケープで覆うと、風呂場の洗い場でチャキチャキ切っていく。
…かくして1号はさっぱりと短い髪型になりました…。
Comments