1号が1歳4ヶ月のころの話である。
布団を敷いている間は、布団の上で転げまわったりして遊ぶのが習慣化しているのだが、この日1号は走り回っていて壁に激突して、おでこをひどくすりむいた。
当然本人もひどくショックで、大泣きして泣き止まない。
マキロンでしょうどくしてやり、ふと思いついて「いたいのいたいの、とんでけ〜」をしてやる。
そういや1号に「いたいのいたいの、とんでけ〜」をしたのは初めてだ。
何回かやってやったあとで
「1号、イタイノイタイノは、もうどっかに飛んでっちゃったから、もう大丈夫だよ」
と言い聞かせた。
1号はまだほとんど言葉にならない声で、布団の上ではない床の一部を指差して
「うう!うう!」
と言う。
「なあに?ここにイタイノイタイノが、いるの?」
と訊くと、どうやらそうだと言っているらしい。
1号にはイタイノイタイノが見えるのか!?
仕方ないのでそのあたりの床を思いっきり何度も踏みつけて
「イタイノイタイノは、もう母さんがやっつけたからもういないよ」
と言うと
「いや、まだいる!」
と同じところを指差す。
1号が納得するまでこれを数回繰り返すとやっと安心して泣き止んだ。
その後、1号は転んだりして「イタイノイタイノ」が出てくると自分で痛かった場所をなで、手に握り締めた イタイノイタイノ を外に捨てに行くようになった。
「外」ってのは部屋のドアだったり 公園だったら来た入り口の門の方だったり。
特別「痛い時」は部屋のドアの方に投げるだけではなく、きちんとドアを開けて外に投げ捨ててから、ドアを丁寧に閉めて戻ってくる。
我が家では「セルフイタイノ」と呼んで、母要らず手間要らずでよいなぁと話していた。
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Yumikoit!?Wiki より移植
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