新学期には雑巾がつきものである。
さて、今年はどうなんだろう。

「ええー。３学期に使ってた雑巾をそのまま持ってくよ。問題ない」
と大言壮語を吐く２号。
春休みの間聞かなかったことにして放置していたが前日に雑巾を目の前に持ってこさせる。

これを持ってく気だった？
前もって相談してくれれば、まだ家庭科は始まってないんだし作ってあげるくらいはできたのにねぇ。
春休み中、何度も「学校の用意はしたの？」って聞いて、「大丈夫！」って言ってたんだから、あたしは用意しないよ。

「どうしたらいいの〜？」
１枚は作ってやるから、もう１枚はあたしの作り方見て自分で縫ってみろ。

という訳で即席の縫物講座始まりである。
苦労しながらも、１時間くらいかけてなんとか雑巾らしきものを縫い上げた２号。
うん。まぁ玉結びっぽいものもできるようになったし、１号の家庭科開始時よりはずっといいじゃないか。

で、入学式の１号。
持ち帰った書類を見ると「雑巾２枚」とある。
うううん。入学準備品になかったから安心してたら、やっぱり中学でも必要なのか。
しょうがないので、ミシンを出してダダダダダ、と縫ってしまう。

横で見ていた２号が
「そんなあっという間にできる方法があったのか！」
と驚愕の表情。
まぁ手縫いで教えたしね。
つーか、手縫いを覚えてからじゃないとミシンはさっわらっせな〜ぁぃ！

２号

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春休みも終わり。
今日は２号の始業式と１号の入学式である。

小学校は、午前中が普通通り登校して始業式、入学式は午後からとなるが中学は入学式は午前中らしい。
「中学って、始業式は午後なの？？？」
とここ数日の１号と２号の間の素朴な疑問。

さてさて、まずは２号、行ってらっしゃーい。
１号はというとすっかり手持無沙汰である。
「ねぇ、お母さん。ホントに９時過ぎでいいの？普通の学校の開始時間にしては遅くねェ？」
卒業式の時の時間スケジュールが頭にあるので、１０時から入学式、というのは１号としても遅く感じられるらしい。
いいんだよ。昨日、剣道の時に中学生のお母さんに訊いたんだけど、１時間目の始業式が終わったら在校生はとっとと帰って、その後で入学式なんだってさ。
「あー−−−−−なんかすげー納得した」
と１号。

ところで何時ころ出る？
こっちも実はのんびりしすぎていて、卒業式の時は前日にスーツを並べておいたのだが今日は朝になってどれにしようか迷っている体たらくである。
「えっと、９時５０分までに行けばいいんだよね？」
でもまぁ、９時２０分にはクラス発表なんだろ。みんなそのくらいには来るんじゃないの？
「えーと、じゃぁ９時１５分ころ出ようか。じゃぁ、制服に着替えるのは、９時過ぎてからでいいな」

どうしてそんなにのんびりしているのかというと、徒歩３０秒の隣の敷地に行くだけだからなのだが。

制服に着替えてしまうと途端に身の置き所がなくなる１号。
「なんか窮屈でさ」
卒業式の日に制服着て砂だらけで低学年用の遊具で遊んでたやつがよくゆぅわ。
すぐに第２の皮膚のようになじむからあまり堅苦しく考えなくていいんだけどねー。

外に出ると、ちょうど中学に向かう同級生が何人か歩いている。校門を入ったところには既にたくさん来ていて、
「なんでみんなこんなに早く来るんだっ？」
と１号がびっくりしていて面白い。
隣の校区の小学校の子がメインで、１号が卒業した小学校からは入学人数が少ないのを気にしていた１号だが、ドッジボールのキャプテンだった子が一緒のクラスで大喜び。

「それでねっそれでねっ」
夜、帰ってきた飼猫氏に新しいクラスについて熱く語る。
「おれよりも背のデカい子が２人もいたんだよ！こぉんなにデカい子だったんだよ！」
と鴨居の下でニコニコする。
そうか、今日一番語るポイントはそこだったか(笑)

１号

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私自身は剣道とか全然縁がなかった人なので、剣道だの柔道だのというと「段を持ってる」とか「初段」とかある？…ってイメージしかない。
で、なんだかんだと２号が剣道に通い続けてようやく、「段」の前には書道と同じく「級」があって、小学生のうちは「級」しか取れないのだと知る。
ようやく２号も取れる年齢になった。

つー訳で、審査会会場である。

少し早い昼食を食べ、途中お腹が空くからとおにぎりをリクエストされて作り置きしたものを、２号が家に忘れてくるのは既にお約束である。そしてそれを１号が留守の間に食べるのも既にお約束の世界。

同じ剣友会の子もごっそり受けるのでみんなで会場に集合する。
受付を済ませるといわゆる受験番号みたいなものをもらって、垂れに貼る。
２号は２番。誕生日の遅い子から順番に並べられるらしいので、同じ剣友会の誕生日の２日違いの子とペアを組めるかなと期待したが、そちらが３番になってしまったので別の剣友会の子とである。

知らない子とだと緊張するかな？と思っていたのに、いや、順番待ちの間くつろいであぐらをかき、相手の子と楽しそうに喋っている。オオモノだなぁ、と飼猫氏が笑う。

天気予報は春の嵐というので心配していたが、風は強かったが雨には降られず、近くの地域で降った雨のせいか虹が出ていた。
結果は合格。
はじめての審査会としては上々であった。

２号

１号に、ナスと豚肉の炒め物作ってよ、と言ってみる。
好きなメニューなら頑張るかな？

いつもは切り落とし肉なんだけど、今日はブロック肉だから切らないとね。
それ、食べやすい大きさに切って。
さすがに初めてブロック肉を自分で切るのは難しいらしい。
スライス、じゃなくてコロコロに切りながら１号、疑問を発する。

「お母さん。このお肉の白いところは何？」
…脂身だよ。今まで生の肉の白いところ、見たことない？
「ない」
きっぱりと言い切る１号。今まで全くお手伝いしたことがないか或いは見ても視界から拒否していた回答である。
やっぱりお手伝いもさせないとダメだねぇ。

ちなみに１号、ベーコンの赤いところと白いところがあるのも、意識したことある？
「ないっ」

ああ。やっぱり。
まぁその分、「この脂身嫌い！」とか好き嫌い言わないだけ楽なんだけどね。

１号

１号、先週くらいから瞼の腫れが気になる。擦りすぎだよ。
「試合の時とか、緊張すると目が痛いんだ」
と言うので、先週眼科に行くと、アレルギー性の痒みで無意識に目を擦るため眼球に傷がついているという。
視力も落ちてる。

眼鏡も遠くないな、こりゃ、とあきらめ顔でいると
「お母さんのせいだ！」
と言う。
なんでよ。
「お父さんとお母さんが視力が悪いから、遺伝でぼくも視力が落ちたんじゃないか」
そぉ？それは予めあなたに注意していたことだし、私の両親も近視だけどあたしは少なくても中２までは眼鏡かけなかったもん。

…人、それを五十歩百歩という。

まぁまぁ。それはそれでおいておいて。
目薬で痒みをとり眼球の傷の様子を見るというので１週間たって今日、また眼科に行ってきた。

うちの市内は、小学生の間だけ医療費が全額補助が出るので今日から１号は医療費がかかるんだよなぁ。ぶつぶつ。

おりしも朝から結構な雨。
いやだなぁ。
１号、ニコニコと新しい傘をさす。

ちょっとまて。その傘は、先月確かに買ったが、でかすぎたのでもう一本一回り小さい傘を買い直したろうっ。
「これがいいのっ」
もう中学生だし、いつまでも小学生用の傘じゃあるまい、と少しデカい大人用の傘を買ったつもりだったのに、まるでビーチパラソルのようなデカさなんだよっ。
案の定、共有廊下の幅をはみ出るデカさ。共有廊下は片側がオープンスペースだからいいけど、その先の同じ幅の階段は、両側が壁で挟まれる構造なので傘の両側がカツカツ壁に当たる。

狭い道幅で路側帯もないようなとこだしホント、後ろから見ていて怖い。
でも気に入ってるようなんだよなぁ。うううん。今度隠しておくか。

１号

なにか子どもたちそれぞれご飯作ってよ、と言うと２号が餃子を作りたいという。
週末の買出しの時に、餃子の皮を買ったのを覚えていたらしい。

「でも、作るの初めてだから一緒に作ってね」
というので、じゃあ先に白菜のみじん切りに付き合え、と言ってみる。
白菜のみじん切りに塩をかけて、３０分くらい置いてからネタを作って、３０分くらい置いてから包むから。

３０分くらい、という時間が微妙らしい。

「じゃぁ２時くらいから」
って、何時に作り終る気なんだろう。

ねぇ、時間過ぎたから白菜のみじん切りやるよ。
「ええええ〜」
そりゃそれだけレゴ床一面に出してりゃぁねぇ。
しよーがねぇ。あたしがやるよ。

夕方、もういい加減辛抱溜まらん、とネタを作るよ、と声をかける。
「あーやるやる」
塩をかけておいた白菜、絞ってね。
「えっと、あとは…」
餃子の皮の袋の裏面に書いてあるネタの材料をチェックしている。
「砂糖と醤油と、ゴマ油と…」
ニンニクのすりおろしはこれね。あと、ショウガはチューブでいいや。

あとはしっかりこねて。
おっかなびっくりこねる２号。いや、もっとしっかり握るようにこねていいから。

ネタを作り置いてからまた時間を置いて、さて皮に包む作業。
ネタをここにスプーンで載せて、周りをぐるっと水で濡らして。
「このくらい？」
うんうん。多すぎないように。
ひだをこうやって寄せてね…。
「うむむむむ、むつかしいー」
まぁ最初はこんなもんだよね。

いくつか包むうちに、ニヤリとする２号。
「一個だけ、ひだが逆なの、作ろう。レアな餃子だっ」

レアな餃子っていうと、なんか生焼けみたいでいやだなぁ。

２４個包んだ餃子。あっという間に１号２号の腹の中に。ネタは余ったけど皮がない。しよーがない。私と飼猫氏の分は別に皮を買足しに行かないと…(がっくり)

２号

昨日は１号が昼も夜も外食だったので２号を連れてお昼外に食べに行ってみる。
あたし、気になってる店があるんだよなー。
東京チカラめし^G。

しかし、店の前まで行って２号が
「どうも違うと思う」
と言う。ふーん。じゃぁ、何食べたい？
「ガストがいい」

つーわけで、２号のお出掛けランチがガスト。
一応、この間試合で２本とったお祝いと思ったんだけどね。
チーズインハンバーグとストロベリーパフェである意味お手軽なランチであった。

２号

１号、ドッジボールのチームからも卒団である。
今日は朝から１日、体育館で卒団式でエキシビジョン的な試合とか何とか、あるらしい。
飼猫氏が
「おれも走るのかー？いや、審判で逃げてやるー」
と言っている。
私は出たことがないので知らないんだけど、親チームとの対抗試合なんてのもあるらしい。ニヤニヤ。

１号、ところで準備するものとか、ないの？
「ない！」
…ほんとに？
こちらがジト目になったので慌ててメールをチェックする。

「お母さん、ご飯が要る！」
そうだよな。カレーの炊き出しがあるってメールが入ってたもんな。
で、何合炊く？弁当箱出して、大体このくらいって言ってくれないと。
１号、考えて弁当箱を３つ出す。
そうね。飼猫氏の分も必要だけど…でもなんで３つ？
「去年、足りなかったから」
そうか。じゃ、３つ分。

朝に３合炊いたご飯を、全部底からさらって持って行ったので、炊き立てご飯が大好きな２号がシリアルを食べていた。
しまった。あと１合くらい余分に炊いとけばよかったな。

飼猫氏が遅れて起きてきて
「おれの分は？」
と言う。１号が３つ弁当箱持ってったから、そっちで足りるんじゃないの？

夕方、卒団式後の食事会に出る前に着替えに帰ってきた１号と飼猫氏に聞くと、更に別に一皿分のご飯を分けてもらったらしい。
あんたら、二人でどれだけ食べてるんだ(笑)

飼猫氏 １号

１号が欲しがる本は、高い本ばかりなので困る。
小説とかある程度は古本屋などで賄ってもらうのだが、いよいよ高い本はそうそう古本屋でも見つかるもんじゃない。
「卒業祝いに、欲しい本があるんだけど、いくらまでなら出せる？」
いくらくらいの本が欲しいのよ。
一応は先に訊いておかないと、こっちの財布が破たんするからな。

「図鑑なんだよ」
小学生向けの図鑑は、３，４年ころまでは２冊くらいずつ毎年買っていたが、１号が欲しがる図鑑がそれをこえるようになってからは、怖くて買えない。
大人向けの図鑑て、なんでそんなに高いんだろう。

本屋で１号が指差したのは、２万を超える。
さすがにそれはちょっと。

１万までは出してやるから、差額は自分で出せ。

１号、かなり悩んでから「宇宙大図鑑」を手に取った。
まぁ前回買った「生物進化大図鑑 」もいまだにすごく丁寧に読んでるからな。一生もんだと思って大事に読んでくれればいいか。

１号

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１号が急にコーヒーに目覚めた。
今までは「苦い」と言って、紙パックのコーヒー牛乳くらいにしか興味を示さなかったのに、飼猫氏の缶コーヒーを分けてもらって急に目覚めたらしい。
「缶コーヒーは旨い」
と言う。

「ぼくが飲んだ缶コーヒーは、山の絵がかいてある青い缶だから、今度は黄色い缶のを飲みたい」
と言う。
「家の珈琲は苦いから、要らない」
とも言う。

まぁいいけどね。
とりあえず、うちの珈琲でよければ飲む？
そこまで言われているのだが、なんとなく砂糖と牛乳を入れて渡してみる。

ちなみに私は普段、砂糖なしで牛乳たっぷり派である。

「ありがと」
とろくに見もせずに受け取って、そのまますぐ横の絨毯の上に置く１号。
目は読みかけの漫画の上のままである。
１号、あんたのマグカップは底が丸めで、接地面積が少なくて転げやすいから、高いところに置かないと絶対にこぼすよ。
「うん。わかった」
と生返事。

案の定５分もしないで１号が部屋から飛び出してくる。
「…こぼした」
そりゃそうだろう。絶対にこぼすと思ってたよ。
あー。まずそのわずかにカップの底に残ってるコーヒーまでこぼさないで済むように、そのカップは机の上に置け。
１号、置くついでに、一口飲む。
「あー、こんなにうまいコーヒーなのに、ほとんど絨毯に飲ませたのかっ」

だから人の言うことは聞けと言ってるのに(苦笑)

１号