ひつじのコートはどこいった

ひつじのコートはどこいった

きたむらさとし絵・文

出版社 評論社
発売日 1997.06
価格  ¥ 1,365(¥ 1,300)
ISBN  4566003736
★★★★★
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最初に断っときます。これはミステリです。絵本といってもなめちゃいけません。殺人が行われなくてもミステリなんです。
ミステリですから、名探偵が登場します。緑のネクタイなんか締めててカッコいいです。悪人も登場します。オオカミですから顔つき見ただけで悪人とわかるのは、絵本のお約束です。

表紙には船に乗る羊たち。ページをめくると、仲良しの羊たちはクルマに乗ったり船に乗ったりして、乗り物好きの1号向けだなぁと思いながら読む。
行き先は海。海水浴だ〜ぃ。と海に飛び込もうとする3匹の羊たちに向かって、悪役オオカミたちが
「コート着たまま海水浴するやつなんていないよ。
 預かっていてあげるから、ゆっくり泳いでおいで」
なんて親切気に声をかける。
と、いきなり白い毛皮を脱ぎ出す羊たち。

…おぃおぃおぃ。そりゃー着脱可能なコートだったんかぃ!
コートを脱ぐと、しましまパンツになぜかサスペンダーなんかつけてる。
飼猫氏が言う。泳ぐ時は靴くらい脱げっ。
そう、彼らは靴を履いたまま泳ぐのだ。
思いっきり海で遊んで、帰ってくるとコートがない。オオカミ一行もいない。しまったぁ。盗まれたんだっ。

オオカミたちが乗ってきたと思われる車のタイヤの跡を追っかけて街まで来る羊たち。
どうでもいいんですが、そのしましまパンツ姿で街を歩くのは止めて下さい。お嬢さんもどう見てもそりゃ、ワンピースじゃなくてシュミーズです。そりゃー、コート盗まれたんだからこれしかないのよってご意見はわかりますが。せめて町に住むいとこの存在を思い出したら、まずはそこで着替えを出してもらうのがスジってモンでしょう。
…それとも、そのどう見てもしましまパンツは、下着じゃなくて普段着だったんでしょうか…。


というわけでお嬢さん羊のいとこって筋書きで、かっこよく名探偵登場。
最後にはちゃんと悪役オオカミたちとかっこよく大立ち回りもやりあって。
オチのセーター姿がすげー可愛い羊たち。

1号も面白かったようだけど、読んでる親も楽しんだ一冊でした。ふはははは。

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ホビットの冒険

ホビットの冒険

J.R.R.トールキン作・瀬田貞二訳

出版社 岩波書店
発売日 2002.12
価格  ¥ 2,940(¥ 2,800)
ISBN  4001156792
★★★★☆
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もう10年以上前のことになるが、指輪物語を読んでみたいと思った。その時には結構強く思ったにもかかわらず、何故だか結局読まないままに終わった。
当時はファンタジー色の強いものよりもハードSFや心理的なノンフィクション物に強く関心があったせいかもしれない。

その後も結局映画も見ることもなく、ストーリィも知らないままに今に至る。

という訳で何度目かの正直でこの本を読む。
指輪のあらすじすら知らない中で、それでも北欧のさまざまな架空の生き物達…ドワーフ、エルフ、ゴブリンとかは知ってるけど、ホビットってのは何だろう。読み始めるまでホビットというのは主人公の名前と信じて疑わなかった私(^_^;)
しかも結構いい年のホビットじゃんっ。
いやいや、だからこそ「若気の至り」な突っ走りがないのよっ。
どうせ周りはみんなむさくるしいドワーフじゃないのよ。

恋人を救わんとする、なんてロマンティックな動機付けは元々なし。
ひょんなことから13人のドワーフの、「先祖が竜に奪われた財宝」を取り戻しに行くたびに巻き込まれるホビット族のビルボ。
のんびり屋のビルボだけど、予言の通りにいつの間にか「忍びのもの」になって13人を導き、助けていく。
巻き込まれた立場だからこそ、「冒険」なんだなぁ。と意味不明に納得。

それでも次から次に襲い来る危機を、ビルボの機転で切り抜けていくドワーフたち。
魔法使いはどこいったぁ。なんて一番いいところだけ助けに来るガンダルフもちょっとかっこいい。

最初は面白いなと思いつつ、ページをめくるのがなかなか進まなかったけど、後半になったら一気に読めてしまいました。やっぱり名作はいいねぇ。

? posted by Yumikoit at 10:13 pm pingTrackBack [0]

 

聞いてないよ

子どもの落書き用に、鉛筆を削ってやる。
普段オトナはシャープペンシルだし、そろそろ時期かなぁと思いつつ我が家ではまだ子どもに鉛筆削り器を買ってやっていないので、カッターで削る。
1号は横でわくわくしながら見ている。
まぁこうやって削るのだと見るのも経験のうちさ。

色々1号と喋りながら、続き間の隣の部屋で作業をしている飼猫氏に、ふと声をかけた。
「そういやさ。こういう作業ってあんたの方が上手じゃないの?」
1号すかさず
「父さん聞いてないよ!」

一瞬間があって、隣室からふきだす声。
「1号、ナイスツッコミ!」
と飼猫氏が言った。げらげらげら。

…って、あんたちゃんと聞いてるじゃないのよ!

? posted by Yumikoit at 09:41 pm pingTrackBack [0]

 

書評の鉄人

Link オンライン書店bk1に、Yumikoit!?Booksと絵本箱の書評を時々載せている。
で、今回「書評の鉄人」なるものに選出されたとメールが届く。
ふへ〜。光栄。結構嬉しい。

ちょっと自慢なので、WebRingsなどを載せているページ Yumikoit!?LinksLink にも貼っておこう。ふっふふ。

? posted by Yumikoit at 09:19 pm commentComment [10] pingTrackBack [0]

自由登園の謎。

土曜日は隔週で自由登園。
ここ2ト月ほど
「あしたは幼稚園、行ってもいかなくてもいい日だよ。行く?」
と訊くが
「ううん。おうちがいい」
と行こうとしなかった。
昔はあんなに自由登園日も喜んで幼稚園行ってたのにな。

「いつも自由登園日はどんなことしてるの?」
「えーとぉ。年中さんも年長さんもみんな同じ部屋に集まってー。
 みんなで色々して遊んでー。みんなでおやつ食べてー」
…縦割りみたいなもんじゃん。
で、どうしていやなの?

「だって、すぐにお帰りの時間になっちゃうんだもの」
そういやそうだね。お昼ご飯食べないで帰ってくるからねぇ。
自由登園日は子供達の数が少ないのも、原因のひとつかな?
で、明日は行く?
「あしたは行こうかな」
「にごもいくっ!」
2号!お前はいいっ。まだ2歳なんだからっ。るすばんだっ。

? posted by Yumikoit at 11:03 pm commentComment [2] pingTrackBack [0]

 

おかあさんがおかあさんになった日

おかあさんがおかあさんになった日

長野ヒデ子さく

出版社 童心社
発売日 1993.07
価格  ¥ 1,365(¥ 1,300)
ISBN  4494008591
★★★★☆
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正確には、読み聞かせじゃなくてNHK教育のテレビ絵本でやっていた。

お母さんは、生まれたときからお母さんじゃないの。
あなたが生まれてきてくれたから、お母さんになったのよ。
お母さんは、あなたのお母さんになるために、あなたがおなかの中にいるときに病院で赤ちゃん教室にも行ったわ。
赤ちゃんをお風呂に入れる練習をしたりね。
いよいよ生まれる、という時になって、陣痛の来ている間はお父さんが腰をさすってくれて…。

実は片手間に見ていたので、ちゃんとストーリィを覚えていない。
だから上の話も結構いい加減かもしれない。本書に興味を持った皆さんは、自分で確かめてみてね。
しかし1号は結構まじめに見ていたようだ。

終わってから
「ねぇねぇ。お母さん。ボクが生まれてきたときは、どんなだったの?」
と言う。

あなたは、絵本のように陣痛が来てから生まれたんじゃないの。
母さんはあなたを自然には産めないから、H先生がお母さんのおなかをね。チョキチョキって切って出してくれたのよ。
ほら、母さんのおなかの傷。見たことあるでしょう?

これはね。1号が母さんのおなかに来るずっと前の話。
母さんはおなかの中の、赤ちゃんのためのお部屋にコブができて、手術で取らなくちゃならなかったの。
でもね。その時おなかをチョキチョキって切ったから、赤ちゃんをホントに産むために、「赤ちゃんが生まれますよぉ」って赤ちゃんからのサインでおなかの中のお部屋がぎゅって狭くなると、切ったところから破けるかもしれませんよって。
そうH先生に言われたの。
母さんはね。1号に元気に出てきてほしかったから、H先生のアドバイスに従って、陣痛が来る前におなかを切って1号を出してもらったのよ。

1号のおなかにも、同じところに傷があるね。
これは、1号が小さい時にいっぱい頑張った勲章。
母さんと同じ。だから、大事にしようね。

「2号も、同じところに傷があるの?」
ううん。2号は1号とは違って、小さい時におしっこのお熱(尿路感染症)をいっぱい出したりしなかったの。だから手術しなくてもよかったんだよ。

赤ちゃんが入院すると、ちっちゃい赤ちゃんは不安だから母さんも一緒にいてあげないとならないの。1号が入院した時も、母さんずっと一緒だったよ。でもね。2号は元気な子だったから、母さんは1号と2号と、ずっと一緒にいられたよ。だから2号のおなかがきれいなのは、2号も元気でえらいからなの。

母さんの傷は、1号と2号が、父さんと母さんのところにやってきてくれた、大事な証拠。だから、母さんは傷が自慢なんだよ。

? posted by Yumikoit at 09:54 pm pingTrackBack [0]

アルバム

我が家では普通のカメラは全く機能せず、結婚以来デジカメしかシャッターを切る人がいない。故にアルバムは「もらった写真を入れる場所」となっている。

…そういや幼稚園から貰った(実際には買ったという)写真もだいぶ溜まったなぁ。
昼間1号がいない時間を使って整理してみる。
えーと、これは春の遠足。こちらは水着だから夏の水遊び。リンゴ園になし園。ばら公園。幼稚園で絵の具遊び。こっちはクリスマス会、と。

整理していると当然、2号がよってくる。
「こえ、だーれ?1ごう?」
「そうだよ。おにいちゃん。さて、整理終わった。と」
と本棚に収納する。
しかし写真を見たいのだ。2号は。

勝手に取り出す。あ〜あ。見たいんだなぁ、お兄ちゃんの写真。
「こえ、もっく?」
「そう。ともくんね」
「こえ、あーちゃん」
「そう、ななちゃん」
適当に見せてから、撤収。

片付けた本棚から、気がつくと取り出して見ている。
「2号。ここから上は、お母さんの本棚なんだよ。
 大事な本も沢山入っているから、勝手に取り出して見ちゃダメだよ」
言い聞かせるが、聞こえないフリの2号。
いや、マジで重要なものも入ってるんだって、ここは。


ポケット式のアルバムだから、2号が力任せに触るとアルバムが壊れるよ。ハラハラ。
…ぴっ
ばかものぉぉ。

結局、夜寝る直前まで、何度も取り出してはアルバムに見入る2号。
子どもってホントに、知っている人の写真が好きなんだよなぁ。トホホ。

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ぽぽぽぽぽ

ぽぽぽぽぽ

五味太郎作

出版社 偕成社
発売日 1989.06
価格  ¥ 1,050(¥ 1,000)
ISBN  4032045402
★★★★☆
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五味太郎の可愛い機関車の絵本。紫の蒸気機関車。3つのピンクの貨車を引いている。

ぽぽぽぽぽ
ぽぽぽぽぽ
 坂道登ってチカラが沢山必要な時には
ぼぼぼぼぼ
 坂道下って
ととととと
 トンネル入って…
ぱ ぱぱぱぱ
ぽぽぽぽぴ
 あれ?貨車が二つだよ。あとから慌ててもうひとつの貨車が…。
 んっふっふ。
ててててて せせせせせ
 谷間の橋を渡ります。たかいたかーい。
ぞぞぞぞぞ れれれれれ
 駅につくよー。スピード落として…
すすすすす さささささ

電車好き、しかもひらがなを覚えて自分で絵本を読む楽しみができた1号。
翌朝、2号にも楽しんで読ませておりました。
 

? posted by Yumikoit at 10:06 pm pingTrackBack [0]

 

鬼の足

幼稚園で豆まきをしたらしい。手製の鬼の面を持って意気揚々と帰宅した1号。
「今日、豆まきしたの?」
と訊くと
「ちょっと鬼が怖かったんだよ」
という。

そういや1号の幼稚園では教会の関係の人なのか、ちゃんと鬼の役の人を頼んでやって貰うんだっけ。
「鬼さん、何色の鬼だった?」
と訊くと赤鬼と青鬼だったという。
「でもね。あの鬼さんは普通の人だったと思うんだよ」
え?なんでそう思うの?
「だって、足が普通の人だったんだもの」
足?鬼の足って、ホントは幽霊みたいに見えなかったりするんかい?
「靴下でも履いていたの?」
「ううん。はだしだった」
「どんな色?」
「普通の色」
色々訊くと、鬼の面をつけていたらしいが。

「でもね。鬼さんは怖かったけど、でも鬼さんは一緒に遊びたくてやって来るんだと思うよ。
 で、2月以外は、遊びに来るためのご用意をしているんだ」
…そりゃ〜なかなかすごいご用意が必要なんだね。11ヶ月もご用意にかかるんなら。
「鬼さんと、何の遊びをしたら喜ぶと思う?」
と訊いたら
「えーとね。戦いごっこ!」
それなら、きっと今日は鬼さんも楽しかったろうよ。

? posted by Yumikoit at 05:43 pm commentComment [2] pingTrackBack [0]

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