宮本絢子著
出版社 鳥影社・ロゴス企画部
発売日 1999.05
価格 ¥ 1,995(¥ 1,900)
ISBN 4886291015
副題として、リーゼロッテ・フォン・プファルツの生涯 とある。
リーゼロッテ・フォン・プファルツはドイツのプファルツ選帝侯の娘で、ルイ14世の弟オルレアン公に嫁ぐ。
息子フィリップIIはルイ15世の摂政であり、孫にフランツ・シュテファン即ちマリーアントワネットの父を持つ。
ドイツに生涯愛着を感じ、フランスの習慣になかなかなじめなかった彼女は、故郷の親しい人々にたくさんの量の手紙を書き綴る。
それらの手紙をまとめたのが、この伝記。当時のフランスの文化、生活や政治事情などをうかがい知ることができるのが興味深い。
孫娘の一人が修道院長に就任するが修道院内にあってもコーヒーや嗜好品、喜劇の上映などを楽しんだりしている様子は、今の常識からすると不思議なくらい。
また、格式の違いで、肘掛け椅子や背もたれ椅子、スツールなど座れる椅子が違っているので、国賓を招く時にもその「格式の違い」の摺りあわせがうまくいかなくてダメになるという話も面白かった。
伝記というと、歴史上の重要人物のもの、という思い込みも大きいがこういった歴史の周辺を彩る人物の伝記も興味深い。
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