学校から帰って来た子ども達を捕まえ、急いで宿題をさせる。
さぁさぁ。4時半の予約なんだから急いでよ。
伸びきった髪の毛を切るため、床屋に予約を入れているのである。
飼猫氏の行きつけの床屋に、週末に予約を取り、飼猫氏がいつも連れて行っていたのだが、スポ小やらなんやら、子ども達二人の週末の予定が混み過ぎて、それも難しくなりつつあるのだ。
1号は
「だ、だめだ。漢字の書き取りが終わらないから帰ってやる」
と言う。
2号の方はというと、国語の音読の宿題を終わらせた後で
「あとは作文の宿題だから、床屋に行って帰ってきてから、そのことを書く」
と飛び跳ねているので、とっ捕まえて風呂掃除をさせる。
二人の床屋を終わらせて、2号が友達のランドセルにまぎれたというプリントを取りに友達の家に寄り、家に帰るともう5時半。
バタバタと夜ごはんの準備をする。
帰ってきて1号は急にスイッチが落ちたらしい。
「おなかが痛いー。宿題できないー」
やりたくないことをやらないための常套句である。
ふーん。どんな風に痛いの?どうしたいの?
「すぐに寝たい」
寝てもいいけど、その前に最低限やらなくちゃならないことはあるよねぇ。
そう。せめてリビングのテーブルの上一面に広げられた1号の教科書とノートくらいは片づけて、布団を敷いて寝てほしい。
できれば、髪の毛を切った直後なんだから、風呂に入って髪の毛を洗って寝てほしい。
体力が残っていれば、自分の洗濯物くらい畳んで片づけて、宿題も片づけて、夕ご飯を食べて寝てほしい。
で、ついでにいうと、週末なんだから上ぐつくらい洗わないと週明けに困るのは本人よね。
とまぁ、リクエストはこんなところなんだけど、そこはそれ、ヒントは
「最低限やらなくちゃならないことは、自分で考えて決めなさい」
ってことだけ。
なにをやらずに何を明日に回すのかは本人に任せてみよう。
1号、しばらく考える。
風呂は、もう疲れて入りたくない。
布団は敷かなくちゃいけないだろう。子ども部屋にいって布団は敷く気配。
リビングの自分の持ち物は片づけよう。
「…そうね、片づけるくらいはしないと」
1号、もうしばらく考えて、家庭学習用のドリルに手を伸ばす。
ドリルをやって私のところに持ってきたところでもう一言。
「家庭学習ができるなら、学校に提出する宿題が最優先だよね」
…そもそも漢字の書き取りを見たくないから腹痛を訴えたんだが、仕方なく1号は漢字の書き取りを終わらせる。
「ご飯は食べれないー」
まぁまぁ。風邪薬くらい飲んで寝なさい。
ここんところ、ちょっと咳が続いてるしな。
牛乳飲んで。で、薬飲むんだよ。
「なんで?」
すきっ腹に薬はよくないからね。それとも、夕飯のスープくらい飲む?
「うん。ちょっとだけ」
ということでとりあえず一緒に夕飯を囲み、気がつくとサラダ少しと肉、ご飯少しをスープと一緒に食べている1号。
「お皿洗えないー。寝る〜」
というわけで、風呂に入らず、パジャマに着替えずに1号。撃沈。
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