黒田研二著
出版社 文芸春秋
発売日 200409下旬
価格 ¥ 1,680(¥ 1,600)
ISBN 4163233008
ヴァーチャルリアリティをテーマにした推理小説というと、私が一番最初に読んだのは岡嶋二人の「クラインの壺」だったなぁ。
こちらはヴァーチャルリアリティというよりはネット界のヴァーチャルコミュニティが舞台。
ゲームのような感覚で、ネット界にいる色々な人たちとおしゃべりする。RPGのような画面で、自分の作ったアバターが歩き回る。
パソコンやネットが舞台、というと何でもトリックありあり、みたいな印象があるけれどもこれは違う。プログラムの作成や、ネット界での成りすまし。二重に登場してくること。別の名前でのログイン。もろもろ。
ちゃんと基本を押さえながら、それでいてきっちりとミステリになっている。
ちょっと物足りないというか、出来すぎているのは、ヴァーチャル空間に出てきた殆どの登場人物が、現実社会で主人公の周りにいた人物であったということ。普通はもっと、世界各国(日本語ベースのサイトでも、せめて国内全域)に散らばってるもんじゃない?
まぁこれはこのヴァーチャル空間が、テスト運用というかかなり限定されたものであるという設定上の制限が効いているんだろうけど。
それでも十分に楽しめたミステリーでした。うんうん。
しかしなぁ。こんなの本格的に始めたら、ホントただでさえパソコンの時間が長い私はパソコンの前から動かなくなるのが目に見えてる。危ない危ない(^_^;)
Comments