鷺沢萠〔著〕
出版社 新潮社
発売日 2004.03
価格 ¥ 1,365(¥ 1,300)
ISBN 4103780053
この著者の本は初めて。
「渡辺毅のウェルカム・ホーム!」
「児島律子のウェルカム・ホーム!」
の2本立ての構成。
前者の主人公、渡辺毅は 父子家庭をやっている親友の家で事実上居候して主夫をやっている。親友はやり手のサラリーマンで忙しいので、事実上親友の子供は自分が育てたような存在だ。
ある日、その子の書いた作文を、毅が見つけるところから始まる。
うちにはお父さんが二人いる。お父さんとタケパパだ。
お父さんが二人いるので、お母さんはいない。…
読むつもりなくしてつい子供の作文を読んでしまった毅は非常に複雑な思いにとらわれる。
…いえいえ。正直私もこの二人は同性愛?とか思いましたが(^_^;)
最後はしんみり微笑が出るような、そんな話だ。
後者の主人公、児島律子は結婚に2回失敗しているキャリアウーマン。
しかし2回目の夫の連れ子、聖菜のことを何よりも大事に思っていて、離婚の際に聖菜と音信不通になってしまったがその行く末をとても案じている。
仕事で多忙を極めている律子のところに、一人の青年が訪ねてきた。名前は言ったが名刺を出すわけでもなく、用件も言わず、2時間も何も言わずに律子の手が開くのを待っている。
こちらは多少ありがちなストーリーだけど、でも母娘の情が伝わるラストシーンが良かった。
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