ローズマリ・サトクリフ著・山本史郎訳
出版社 原書房
発売日 2002.03
価格 ¥ 2,100(¥ 2,000)
ISBN 4562034963 先日借りた「ヴァイキングの誓い」がよかったので借りる気になりました。
「サトクリフオリジナル」シリーズなんてあるんですね。いわゆる大人向けのサトクリフの小説の、選集ってことなのかなぁ。
これはその6巻。サトクリフの生涯最後の作だったそうです。
時代は9世紀。北欧諸国にキリスト教の流布が始まり、ハラルド美髪王の治世が始まった頃の話。自由を求めてアイスランドなどに移民するヴァイキングの一族もいた時代の話だ。
主人公のビャルニは、ヴァイキングの一族の少年。ところが彼は一族の長が客人として招いたキリスト教の司祭と殺してしまって、5年の追放を受けてしまう。
ビャルニは商人の船で海を渡り、剣の奉仕を売る、いわゆる用心棒や職業軍人として身を立てることになる。
途中 縁ができて彼の犬となった黒犬フギンと共に。
しかし次に仕えた「木足のオヌント」ともそこの司祭との感情的トラブルが元で、それ以上いることができなくなってしまう。
サトクリフの作品は2作目だが文章が地味だが力強く語りかけてくる。
若い頃割と好きだったあずみ椋のヴァイキング物のコミックや谷口幸男の訳本などでかなり好きな時代を扱ったモチーフ、というのも、作品に入りやすかった要因だと思う。
最後の1/3ほどで出てくる男装の少女アンガランドが可愛らしい。気が強く薬草に通じている。
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