マルタン・モネスティエ著・吉田春美訳・花輪照子訳
出版社 原書房
発売日 1999.02
価格 ¥ 3,360(¥ 3,200)
ISBN 4562031689
いきなり尾籠なタイトルですみません(笑)
こういったお話に拒否反応がある方は読まないでください。
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その名のとおり、排泄にまつわる色々な歴史、地域差などをテーマに解説されたヒジョ〜にまじめな本です。全460ページ。いや、長かった。でも面白かったです。
作者はフランス人とみえて、トイレ文化や排泄にまつわる文化史は主にフランスのものに詳しく解説されておりました。
トイレットペーパーはイギリスはパステルカラーが多く、フランスのものは80パーセントがピンク色なんて面白すぎです。
内容としては、
・排泄物そのものに関する小話から始まり、
・トイレの前身としてのおまるや穴あき椅子(トイレの前身に当たる移動式家具)、排泄の後尻を拭くための道具の変遷。
ベッドサイドに置くナイトテーブルが、もともとは夜間に使うおまるを収納しておく場所として使われていたなんて、知ってました?
・排泄物の処理にまつわる都市の対応の歴史。
平たくいえば下水処理の歴史ですね。
フランスにおける歴史を主に解説しています。勿論、各国の違いの比較もあって興味深い。
日本のトイレの歴史が古く、公衆衛生は比較的早くから発達していたらしい。
・公衆トイレの歴史。
そういえば新婚旅行先で、八角形の銀色の公衆トイレ、見ました。いかにもドイツらしいデザインだと思いました。
・軍隊や病院といった、大勢の人が集まる場所での実態や処理方法の歴史。
・医学と薬学において、排泄物そのものがどのような位置を占めてきたか。
これは、健康状態を診断するための材料としてばかりでなく、薬としてもたびたび用いられてきたことを扱っています。
いわゆる健康のために尿を飲む習慣のある人たちの話とかも含まれます。
・行動における排泄。
美食の一端として食べる人。精神異常のため、食する人。
性行為の一部として食する人。その他もろもろ。
・信仰と排泄のかかわり。
世界の始まりが神々の排泄物から作られた。もしくは人類は神々の排泄物から作られた。
信仰行為の一端として排泄物を利用する習慣の地域差その他。
・芸術や文学における排泄物。
映画や小説の中でトイレのシーンがある場合などを含みます。
しかし顔料として利用したり、絵画のテーマとしても扱っている人が多いんですね。
私は純粋に文化史として楽しめました。
特に長男が去年トイレトレーニングをしたばかりで、こういった話題そのものが家の中でタブー化していない環境だからかもしれません。確かに、多感な独身女性だったら読んだとこういうところに書くのも恥ずかしいかもしれないですものね。
作者はフランス人とみえて、トイレ文化や排泄にまつわる文化史は主にフランスのものに詳しく解説されておりました。
トイレットペーパーはイギリスはパステルカラーが多く、フランスのものは80パーセントがピンク色なんて面白すぎです。
内容としては、
・排泄物そのものに関する小話から始まり、
・トイレの前身としてのおまるや穴あき椅子(トイレの前身に当たる移動式家具)、排泄の後尻を拭くための道具の変遷。
ベッドサイドに置くナイトテーブルが、もともとは夜間に使うおまるを収納しておく場所として使われていたなんて、知ってました?
・排泄物の処理にまつわる都市の対応の歴史。
平たくいえば下水処理の歴史ですね。
フランスにおける歴史を主に解説しています。勿論、各国の違いの比較もあって興味深い。
日本のトイレの歴史が古く、公衆衛生は比較的早くから発達していたらしい。
・公衆トイレの歴史。
そういえば新婚旅行先で、八角形の銀色の公衆トイレ、見ました。いかにもドイツらしいデザインだと思いました。
・軍隊や病院といった、大勢の人が集まる場所での実態や処理方法の歴史。
・医学と薬学において、排泄物そのものがどのような位置を占めてきたか。
これは、健康状態を診断するための材料としてばかりでなく、薬としてもたびたび用いられてきたことを扱っています。
いわゆる健康のために尿を飲む習慣のある人たちの話とかも含まれます。
・行動における排泄。
美食の一端として食べる人。精神異常のため、食する人。
性行為の一部として食する人。その他もろもろ。
・信仰と排泄のかかわり。
世界の始まりが神々の排泄物から作られた。もしくは人類は神々の排泄物から作られた。
信仰行為の一端として排泄物を利用する習慣の地域差その他。
・芸術や文学における排泄物。
映画や小説の中でトイレのシーンがある場合などを含みます。
しかし顔料として利用したり、絵画のテーマとしても扱っている人が多いんですね。
私は純粋に文化史として楽しめました。
特に長男が去年トイレトレーニングをしたばかりで、こういった話題そのものが家の中でタブー化していない環境だからかもしれません。確かに、多感な独身女性だったら読んだとこういうところに書くのも恥ずかしいかもしれないですものね。
この記事に対するコメント[4件]
1. 露 — October 8, 2004 @16:28:28
今の私の衛生観を、私は当たり前だと感じていますが、歴史的に見れば全然当たり前ではないのでしょうね・・・。昔のフランスでは、汚物が垂れ流されるセーヌ川の水こそコレラの予防薬だと民衆の間で信じられていたこともあるとか・・・ゾゾッ (2004/01/27 08:26)
Yumikoit October 8, 2004 @16:28:47
洋式便座に全裸で座る女性の後姿…名のある絵画なのでしょうが、本屋ではちょっと買えません(>_<)
セーヌ川に限らず、当時のヨーロッパ各都市の河川や広場はことごとく汚染されていたようですね。また、尿そのものが呪いを退ける絶好のアイテムだったりしたそうです。
現在のこの環境をあまりにも当たり前と信じている、自分の常識と状況に感謝…(-人-;) (2004/01/27 10:15)
3. 青子 — October 8, 2004 @16:29:00
Yumikoit October 8, 2004 @16:29:15
汚物を窓から投げ捨てる…というのはヨーロッパではホント、一般的だったようですね。日本じゃ(多分昔でも)考えられないけどなぁ。
そうですか。ハイヒールにはそんな由来があったのですかφ(..) 結局は男性中心の社会だったんですね。
そういえば本書の中にも、公衆便所の女性用ができたのはずっとあとで、それまでは「我慢するしか」なかったそうです。それが女性の礼節として当たり前であったと。
いや〜。怖すぎます。
泥、というのは糞便の別称でもあったようで、つまり聖書でも神がニンゲンを泥から創ったというのは実は…という解釈が書かれていました。 (2004/01/28 10:32)
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