森博嗣著
出版社 講談社
発売日 1998.01
価格 ¥ 819(¥ 780)
ISBN 4061820001
S&Mシリーズ第7弾。
前作の「幻惑の死と使途」と時間的に同時期にあり、それゆえ前作は奇数章のみ、こちらは偶数章のみで話が進む。
前作の第1章で萌絵と再開した親友の杜絵がこちらのストーリーの中心に来る。
杜絵が実家に帰ると、出迎えてくれるはずの両親と姉がいない。ずっと部屋に閉じこもる盲目の義兄もノックに応えない…なぜ?
前半は犀川は勿論 萌絵もあまり出てこない。
ただ萌絵の叔母や、愛知県警の鵜飼といったレギュラー陣がニアミスでなんどか出てくる。その感触が楽しい。
後半になり、萌絵と杜絵のやり取りからどんどん謎の中核へと入っていくあたりはなかなか読ませる。
今回は、今までのようなハイテクな仕掛けもなければ理屈っぽいレトリックもなかった気がする。
しかしなぜかその分、犯人の動機も描ききれていないような気がする。
まぁ、もともとこのシリーズは動機を描くためのミステリじゃないもんな。と自分を納得させる。
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