灰谷健次郎〔著〕
出版社 角川書店
発売日 1998.03
価格 ¥ 600(¥ 571)
ISBN 4043520018
灰谷健次郎の代表作。
初出が1974年というから、ほぼ30年前の話ということになる。
新任教師小谷芙美が1年生を受け持った。
クラスで一番の難物は、一言も口を利こうとしない鉄三。
彼がビンに入れて飼っていたハエを、同じクラスの文治がカエルの餌にしてしまったことから話は始まる。
最初は鉄三がハエを飼っていることに気づかなかった小谷だが、廃棄物処分場に住む鉄三がハエを飼い、大事にしていることを知ったのち、徐々に鉄三を知ろうとし、そしてハエの研究を一緒に手伝うようになる。
鉄三も徐々に心を開き、ハエの勉強を通じて文字を勉強し、そしてハエ博士と呼ばれるくらいになる。
他の処分場の事のふれあいや、知的障害のある みな子 を学級に一時的に預かったことによる学級の一致団結の様子。
処分場の移転に伴う町の中の意見と、処分場から通う子供たちの真っ向からの対決。
最終的に処分場から通う子供たちの行く末は示されなかった。そして小谷先生が結婚生活を捨てても教師生活を取るかどうかも。
読後感のよい古きよき時代の教育現場を見るような思いで読んだ。
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