朝顔の種が取れた。1号、大喜びで種のとれそうな個所をチェックしまくり、からからに乾いた実を割っては小さな種を取り出す。
結局ベニバナの種を取り損ねた2号も興味しんしんで、1号の作業を見守る。二人とも嬉しそうだねぇ。
やがて2号は幼稚園の夏季保育に行き、1号はそれを見送るために園バスまで送っていく。
私はのんびり?洗濯物を干し、朝食の皿を洗っていると、1号が小遣い帳をとりだして私のところへ持ってきた。
なに?
見てみると、
あさがおのたね 10えん
とある。
何よ、これ。
訊いてみると、1号は、家のプランターに蒔いた朝顔の種のいくつかを、2号に10円で売ったらしい。
「だって僕が育てたんだからねっ♪」
と嬉しそうに報告する1号。別に間違ってはいないけど、そういうところでつまんない商売始めるんじゃないよ。
まぁ、大体においてそういうレベルで弟相手ではなく、友だち相手に商売を始めるようになるとまた別の問題が生じそう。自立心が旺盛なのはいいし、同級生以上で朝顔の種に小遣いを使う奴もいるとは思わないけど、一応止めておいた方がよさそうだね。
つーわけで。
─ おぃ。1号よ。もともとはその種、あんたが小遣いはたいて買ったんじゃなくて、上級生の子から貰ったものでしょ?土だってプランターだって肥料だって、母さんが出したんですけど、そういうコストも私が徴収していいのかな。
そう言うと、1号は「…あ」と硬直。
夏休み中今後も、どんどん種がとれる種類の問題ではあるし、ケチくさいことしてないでね。
えーと。学校の鉢植えからとった種は、夏休みが終わったら持ってかなくちゃいけないから全部別にしておいて。家のプランターでとったのは、乾かしたらこっちの瓶に詰めておきなさい。
2号に分けてあげてもいいけど、お金をとるのはやめてね。
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