車道に出る手前の私道のアスファルトの上に、カマキリがいた。
背中が薄茶色でお腹が緑色で、ちょっとよたよた歩いている。
後ろ足をつん、とつつくが。こちらを見上げて睨みつけもしない。
覇気がないなぁ。
よく見ると片方の手のカマがない。かなり弱ってる感じだね。
子ども達もつつこうとするが、イマイチ反応がない。
「お腹すいてるのかな」
─ うん、きっとね。でもカマキリは動いている虫しか食べないからねぇ。
1号は通りの端に行って確認して
「アリとかなら食べるかな?」
と言う。うん。食べると思うよ。
「バッタは?」
バッタも食べるだろうけど、この弱っているカマキリが片手で捕まえられるバッタってどんなよ。
しばらく1号は考えていたが、カマキリの前まで行ってカマキリの目のすぐ前に自分の手をだし、それからその手をまっすぐに草むらに向けて指差した。
─ なにしたの?
「うん。あっちの草むらに行けば、きっと虫がいるよって教えてあげたの。
でも行かないねぇ」
─ 1号。その気持ち。絶対にカマキリには伝わってない(断言)
2000年生まれの長男1号はドッジボール→バスケ→ラグビー野郎
2002年生まれの次男2号は剣道男子→今はなんかヲタとかクイ研とか色々。お父さんは飼猫氏。
日常と読書の記録。
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母の仕事。
朝起きてきても、パンツのまま着替えないでごろごろリビングの床に転がっている2号。制服には着替えたけれども、靴下を履かず幼稚園の準備もまだなのに「お母さん抱っこして」とスキンシップを求めて動かない1号。
しばらく何も言わずに1号を抱いて、寝転がる2号を眺めていた。
朝食の約束の時間が過ぎても、朝ごはんの皿には何も入っていない。
「お母さんは朝ごはんの支度をする時間なんだけどな」
「もう朝ご飯を食べる時間だよね」
と数回言ったが、二人とも動こうとしないので強権を発動した。
「じゃぁ、今日はお母さんももうお休み。
あなたたちももう着替えなくていいからね。幼稚園も約束の友達の家もなしにしよう。
やったぁ。じゃあお母さん寝てくるから♪」
と寝室に引き上げる。
いやぁぁぁぁ。
と慌てて自分の仕事を始める1号。
まだボンヤリしている2号に
「はやくっ!2号も着替えなさいっ」
と1号は必死になってハッパをかけている。くすくす。
「幼稚園のご用意が終わったから、お母さん、ご飯作ってください」
と1号がいいに来る。やだも〜ん。お母さん今日はもうお休みだもんっ。
1号は慌てて、私が昨夜洗っておいた皿を片付け、空いているビール缶をつぶして捨てる。
「おかーさん、ご飯作ってくださいっ!」
まぁいじめるのはこの辺にするか。
でも。ご飯の約束の時間を破ったのは子ども達。
だから今日のパンはジャムはなし。卵焼きもなし。途中まで洗っておいたレタスとパンと牛乳だけの朝食。歯磨きのあとも仕上げ磨きもしてやらない。
子ども達に話す。
─ 洗濯もご飯作るのも、お掃除も。お母さんの仕事じゃない。
本当のお母さんの仕事は、そういうことがきちんと家の中で動いて、家族みんなが困ったことにならないように確認し続けること。
お父さんは外で働いてくるのが仕事だけれども、家の中の仕事も必要に応じてしてくれる。
別にご飯作るのだって洗濯だって、掃除だって買い物だって、「きちんと家の中で滞りなく動いていれば」お母さんがする必要はない。お母さんは、そういうことが家の中できちんとこなされているか、確認するのが仕事だけれども、今はお母さんがそのための手が空いているからお母さんがしているだけ。誰がしたっていいの。
すると私の掃除機の手を見て、1号は言った。
「お母さん。ボクが掃除機をかけるよ」
そぉ。助かるわ。じゃぁ明後日子ども会の廃品回収に出す古新聞をまとめてるわね。そうそう。牛乳パックも切り開いて束ねなくちゃ。
牛乳パックを私の手元に持って来る作業を、2号に手伝わせる。
ごみ捨ては1号。ゴミを集めたあとのゴミ箱は、2号に各部屋に運ばせる。
いつもはテレビを見ている朝の登園前の時間だけれども、えらく殊勝な子ども達。
夜。ご飯を食べながら1号が言った。ボク、明日の朝ごはん作ってみたい。
ほほぉ。1号の朝ごはん。久しぶりだな。いいよ。
2号が横で「ボクもお手伝いする!」と大騒ぎしていると、1号が鷹揚に言った。
「じゃぁ、2号は明日の朝、お皿を片付けるのと、タマゴを割るのが仕事ね♪」
さて、明日の朝はどんな朝ごはんになるのでしょう。くすくす。
しばらく何も言わずに1号を抱いて、寝転がる2号を眺めていた。
朝食の約束の時間が過ぎても、朝ごはんの皿には何も入っていない。
「お母さんは朝ごはんの支度をする時間なんだけどな」
「もう朝ご飯を食べる時間だよね」
と数回言ったが、二人とも動こうとしないので強権を発動した。
「じゃぁ、今日はお母さんももうお休み。
あなたたちももう着替えなくていいからね。幼稚園も約束の友達の家もなしにしよう。
やったぁ。じゃあお母さん寝てくるから♪」
と寝室に引き上げる。
いやぁぁぁぁ。
と慌てて自分の仕事を始める1号。
まだボンヤリしている2号に
「はやくっ!2号も着替えなさいっ」
と1号は必死になってハッパをかけている。くすくす。
「幼稚園のご用意が終わったから、お母さん、ご飯作ってください」
と1号がいいに来る。やだも〜ん。お母さん今日はもうお休みだもんっ。
1号は慌てて、私が昨夜洗っておいた皿を片付け、空いているビール缶をつぶして捨てる。
「おかーさん、ご飯作ってくださいっ!」
まぁいじめるのはこの辺にするか。
でも。ご飯の約束の時間を破ったのは子ども達。
だから今日のパンはジャムはなし。卵焼きもなし。途中まで洗っておいたレタスとパンと牛乳だけの朝食。歯磨きのあとも仕上げ磨きもしてやらない。
子ども達に話す。
─ 洗濯もご飯作るのも、お掃除も。お母さんの仕事じゃない。
本当のお母さんの仕事は、そういうことがきちんと家の中で動いて、家族みんなが困ったことにならないように確認し続けること。
お父さんは外で働いてくるのが仕事だけれども、家の中の仕事も必要に応じてしてくれる。
別にご飯作るのだって洗濯だって、掃除だって買い物だって、「きちんと家の中で滞りなく動いていれば」お母さんがする必要はない。お母さんは、そういうことが家の中できちんとこなされているか、確認するのが仕事だけれども、今はお母さんがそのための手が空いているからお母さんがしているだけ。誰がしたっていいの。
すると私の掃除機の手を見て、1号は言った。
「お母さん。ボクが掃除機をかけるよ」
そぉ。助かるわ。じゃぁ明後日子ども会の廃品回収に出す古新聞をまとめてるわね。そうそう。牛乳パックも切り開いて束ねなくちゃ。
牛乳パックを私の手元に持って来る作業を、2号に手伝わせる。
ごみ捨ては1号。ゴミを集めたあとのゴミ箱は、2号に各部屋に運ばせる。
いつもはテレビを見ている朝の登園前の時間だけれども、えらく殊勝な子ども達。
夜。ご飯を食べながら1号が言った。ボク、明日の朝ごはん作ってみたい。
ほほぉ。1号の朝ごはん。久しぶりだな。いいよ。
2号が横で「ボクもお手伝いする!」と大騒ぎしていると、1号が鷹揚に言った。
「じゃぁ、2号は明日の朝、お皿を片付けるのと、タマゴを割るのが仕事ね♪」
さて、明日の朝はどんな朝ごはんになるのでしょう。くすくす。
? posted by Yumikoit at 10:27 pm Comment [2] TrackBack [0]
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