デボラ・キャドベリー著・桜井郁恵訳
出版社
近代文芸社発売日
2004.09価格
¥ 3,150(¥ 3,000)ISBN
4773371730
ベルばら以降、フランス革命の関連の書籍は結構興味深く読んでいる。読み進めて行くと色々な書物で共通していることから実在かな?と思わせる事柄や へぇ、この台詞、あの本のどこどこで見たな。なんてことがあって面白い。
アントワネットの裁判の際、幼いルイ・シャルルへの性的虐待を訴状にのせられて、断固として否認した際のアントワネットの
「私が答えないとしたら、それは母親にかけられたそのような嫌疑に答えることを、自然が拒むからです。
私はこの部屋におられる全ての母親に訴えます」
という台詞。
ベルばらでもアントワネットの毅然とした様子で語られたこの台詞は、本書でも出てくる。引き離された息子の様子がわかる哀しいエピソード。
しかも、この疑惑に関する調査の時が、ルイ・シャルルとマリー・テレーズの最後の対面のときであったという。
この本を読もうと思ったのは、民衆側からの見地からでもなく、かといってアントワネットの処刑で終わるストーリィでもなかったから。
むしろアントワネットの裁判から始まるストーリィといってもよい。
…というのは、この本はルイ・シャルル…ルイ16世とマリー・アントワネットの次男、ルイ17世の行く末がテーマだからだ。
トム・ソーヤの冒険や先に読んだあらいぐまラスカルの原作本などでもでてきて「なんだこりゃぁ」と思うのがルイ17世と騙る謎の変人達。
本書によるとそれは一時期100人を超えたというから想像を絶するというよりも笑うしかない状況だったんだろうな。
本書で語られるとおり、最終的に遺伝子鑑定で本当のルイ17世が誰だったのかがわかったのは、西暦2000年のこと。大昔の決着が判明したつい5年前というのはオドロキだ。
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