佐藤秀峰著
出版社 講談社
発売日 2003.11
価格 ¥ 560(¥ 533)
ISBN 4063289176
主人公の「斉藤」は、はっきり言って人格の厚みなどはない。簡単に悩み、行動に走るが経験にも人間的な洞察にも裏付けられていない。
彼のキーワードは「なんで、その治療は出来ないんですか?」ということに尽きる。
言ってみれば彼は「医療現場(大学病院)では最高の医療が受けられるべきだ」「最先端の医療が受けられると幸せなはずだ」という思い込みの象徴である。
でも、現実に行動に移すかどうかは置いておいて、こういう考え方をする技術バカ、いるかもしれない。私の周りにはいて欲しくないタイプかも。
という訳で第7巻のガン医療編の続き。
この巻では、「最先端の医療」を受ける障害となっているのは新薬の承認のシステムだ、ということになっている。
しかし新薬を使えたからといって、ガンが治るとは限らない。
保険の効かない未承認の薬を使ったら…
「わたしの訊きたいのは、ただ一つです。その薬を使ったら、わたしは、治りますか?」
「判りません」
…確かに、これ以上ヒトをバカにした話はないだろう。
しかしそれもまた現実だなぁ。
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