学校から帰ってきた2号が、
「今日はこれから学校に自転車を持って行く」
と言う。
うん。今日学校に行ったときに、2号が自転車を持って行きたがってるって担任の先生から呼びとめられて聞いてる。明日の自転車講習会のためだよね。登下校は、歩道橋が途中あるし集団登校で周りに迷惑かけるから、登下校ではないときに自転車の移動をするなら2号に許可しようと思います、ってその時に先生に伝えたんだ。
「帰りに、友達と買い物してくるね」
ん?どこ行くの?
「えっと、遊べる本屋!」
駅ビルに入ってるヴィレッジヴァンガード か。ちょっと4年生が子どもだけで行く場所としてはどうかと思うけど。
「あそこがダメなら、クレアモールの本屋に行く」
ちょっと待て。クレアモールは繁華街だから小学生だけで行っちゃダメって学校からお達しのある場所だ。
「だってこびとづかんのシール買うんだもの」
まぁあれは確かにヴィレッジヴァンガードには置いてあるわなぁ。
そろそろ4年だし、冒険も必要ですか。
いくら持って行くのか、相手は誰か一応聞いてから出してやる。
帰ってから嬉しそうにシールを出している2号。どうするのか見ていたら、その場で連絡帳にすべて貼っていた。
「…台紙は記念にとっておこう♪」
そうか?そういう問題なのか?
1枚だけ、1号にプレゼントしたらしい。
そしてそのシールを、1号は裏面に練り消しゴムをべったり貼りつけてプレートのようにしていた。
「おにーちゃん!せっかくあげたのにその使い方はないと思う!」
うーん。シール本来の使い方を考えると、確かに1号のやりようはあんまりかと思うが、あんなに喜んで楽しみに買ってきたシールを、一瞬にして使いきる2号もあんまりだと思うんだよな。
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