練習試合から帰ってきた１号が、子ども部屋に入ったと思ったら飛び出してきた。
「ボクのプラモデルの箱！返して！」
待て。ちょっと待て１号。
まずは落ち着いて話を聞いてくれるか？
すると、犯人は母だと判断した１号、
「ヒトのモノが置いてある場所、勝手に触っちゃダメって言ってるのおかーさんじゃん！なんで勝手に持ち出したの！」
うん。それはだな。
昨夜、あんたがプラモやった後、一晩中接着剤の匂いがして、あんた咳してたじゃん。
箱の中で接着剤の蓋がちゃんと閉まってなかったらしくて、接着剤が漏れてたんだよ。
と、渇くまでベランダに置いておいた、接着剤のこぼれた箱を手渡す。
ほら、作りかけプラモのパーツ類も、接着剤で溶けてるでしょ。
「あっ…」
溶剤だからねぇ。溶けるって話はしてたしねぇ。ちゃんと蓋閉めないとねぇって話もしてたしねぇ。
とーちゃんが見つけたんだけど、まぁ緊急事態と思ってこういう対応をしたわけですよ。ね。１号くん。
「…ごめんなさい」
うむ。よしよし。
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