音読の宿題、今の単元になってからお母さんの評価が上がったね。
と、1号が言った。
1号はねぇ。今やってる単元みたいな説明文はまだ気持ちよく読むからねぇ。
前やってた「一つの花」は戦争ものだったから、読むと気が滅入るみたいで宿題でも「音読やりなさい」と言われないと取り組まなかったもんねぇ。
大体が1号は、悲劇ものの話が嫌いである。
「一つの花」の前にも、学校でやっていた「ちいちゃんのかげおくり」とかね。
そう言うと、1号。
「あとはフランダースの犬みたいな?」
と言った。
以前学校の読み聞かせ会かなにかで読んでもらって以来、アニメの再放送をとぎれとぎれに見たりもして結構心に残ってる話のようだ。
まぁ、その手の一度でも気になった話は、機会があったら原作を読むことを薦めるよ。
原作至上論の私だが、フランダースの犬Wについてもそう言ってみる。
フランダースの犬はね。日本でのみすごく評価が高くて、元の国ベルギーではあまり評価が高くないんだよ。
「え?どうして」
日本でアニメになった時に、原作とは一つだけ設定を変えたからだよ。
「え、どこどこ?」
それはねー。
主人公の年齢。
原作ではもう一人前といってもいい15歳だけど、日本のアニメでは10歳。
1号と同い年の男の子が時代的な違いはあるものの将来の夢を描いてるのと、義務教育終わった15歳が病気がちの祖父を抱えて同じこと言ってるのでは全然周りの受け取り方も違うしねぇ。
そう言うと、1号、しばらく考えこんでいた。
まぁね、本当は何事も、自分で読んで自分で考えるべきでね。一度は読んでごらん。原作(にひひ)
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