今日で給食は終わりで、4時間で早く帰ってくる。
1号、2号が並んで帰宅して、それぞれにランドセルを開け始めた。
「今日はねっ。KすいくんとSけんくんがくるから」
と1号。
KすいくんとSけんくんは兄弟で、二人とも1号2号の同級生である。
兄弟どおし、4人で遊ぶのかな???
ランドセルを開けてしばらくして2号。
「しまったぁぁぁぁ」
計算カードを忘れたという。しかも今日の宿題。
「取りに行ってくる!」
はぃはぃ。
歩いて通学路を行って、クルマに気をつけて。
学校についたら、教室に入る前に職員室に行くんだよ。
「職員室でどうしたらいいの?」
それは1号に訊きなさい。
すると得意満面で(…ってことは忘れもの慣れしていて、何度も職員室に顔を出しているからなのだが)1号が2号に講釈を垂れはじめた。
「いいね。まず見ててね」
と和室とリビングを仕切るふすまを開けて
「失礼します…っていうんだよ。
1年x組の、いとう2号です。忘れ物を取りに来ました。
するとね、先生が…これは例だけどね、あぁ行っておいでとか何とかいうからっ。
教室行って、忘れもの取ってきたら、また同じようにね…」
とふすまを閉めてもう一度開けて
「失礼します、1年x組のいとう2号です。忘れものの計算カードを取ってきましたっていうとね。先生が、あぁ気をつけて帰るんだよとか何とかいうから…わかった?」
「ちゃんと出来るかどうか、忘れるかもしれない」
「じゃぁ、ここで見ててあげるから、一度やってみな」
2号、真面目くさった顔で、ふすまを開け…でもそこは1号がいるだけの当たり前の和室。
…噴き出す。
なんとか「失礼します」をやって、教室に行ったつもりになって、また戻ってきて、またふすまを開ける。
開けたふすまのぎりぎりのところで、立って機会をうかがっている1号。
…爆笑。
なんだかなぁ。
というわけで、無事予行演習も済ませて、忘れ物を一人取りに行く2号。
…帰ってきた。
「…なかった。誰かにとられたかも」
おや、残念だったね。
でも、2号の普段の性格からして、もっと可能性の高いものがあると思うな。
そういうと2号はまたランドセルの中を見始めて…「あった」
なんでホントに、そうやってオチを作るかねぇ(笑)
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