ベンノー・プルードラ著/森川 弘子訳
税込価格 : ¥1,680 (本体 : ¥1,600)
出版 : 未知谷
サイズ : 四六判 / 141p
ISBN : 4-89642-116-7
発行年月 : 2004.12
ドイツの児童向けのけっこう有名な小説らしい。
灯台守の息子。学校の友達はみな遠方の町に住み、休みには友達もなくすごす。
それが少年には寂しい。
ある日、近くにキャンプに来ていた子ども達の集まりに出会う。
彼らがどこからやってきたのか、どんな集まりなのか、それは結局よくわからない。
ただ、その日出会った。なんとなく気が合いそうだ。
彼らは、これから船に乗ってズンデヴィト岬へ行くという。
そして、少年の両親がいいと言えば少年を連れて行ってくれるという。
何日くらいの旅行になって、いつ帰ってくるのかとか、そういう具体的なことは書かれていない。恐らく夏休みのキャンプに来て、彼らには予定がある。
その予定の中で少年も一緒に来てもいいよ、と誘っているのだ。
少年は行きたい。
家に行くと両親もどうやら行かせてくれそうだ。
でも、町の知人が灯台に忘れて行ったメガネがあった。こんな時、そのメガネを届けるのはいつも少年が行っていたのだろう。
少年は、届けることを決心する。決心、なんて大げさなものではなくごく自然に。
そして行く先々で次のお届け物だったりトラブルに巻き込まれる。
心からの善意でごく自然にそれを受け入れ、人々の手助けをする。
そしてキャンプの出発に間に合わなくなった時。
少年の一途な思いと人々のごくごく自然な好意によって積み上げられて行く過程が気持ちいいな。
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