西本鶏介文・柿本幸造絵
出版社 チャイルド本社
発売日 1997
価格 ¥ 470(¥ 448)
ISBN 4805425512
幼稚園で毎月貰ってくるこのシリーズも、12まで来た。あと1冊くらいでおしまいなのかなぁ。
日本・世界の昔話集であるから、これもまたイタリア・スイスの昔話。グリム童話にも「金のガチョウ」として収録されている。
主人公の少年がまず「笑わない王女さまを笑わせるから、パン3つとどうか3枚とワインを一瓶くれ」と父親に頼むシーンがあるが、そもそもその根拠が不明。
この3つがあれば王女が笑うと思っていたのか。その場合にはどんな風にして笑わせるつもりだったのか。その心積もりを訊いてみたいところ。
そうしてまで父親にねだって、一生一度の一大決心をして家を出たであろう少年も、次々とパンや銅貨、ワインをねだるお年寄りに気前よく次々とやってしまう。この老女がホントにただの老女達だったらどうするつもりだったんだろう。…というのはオトナのツッコミ(笑)
結果として老女は実は魔法を使える仙女だったのか。そしてこのおはなしの真骨頂、不思議なガチョウを貰うわけだ。
ガチョウが欲しいと思う宿屋の少女、その妹、寝巻き姿で少年の尻を追い回すのはけしからんと神父が、それを不届きと思う道すがらの金物屋が次々と「くっついて」しまい、ぞろぞろと電車ごっこのように歩く姿。
4歳児1号には、まだ
「寝巻き姿で外を歩くのは恥ずかしい」とか
「寝巻き姿で、うら若き女性が若い男の後ろをついて歩くなんて」とか
「神父たるもの女性の腰を触るなんて不届き千万」とか
そういった事柄の倫理観とかなんとか、育っているわけもないがそれでもただゾロゾロと電車ごっこのように人が沸けもなく歩いている姿を想像すると、笑いがこみ上げるものがあったらしい。
かなり眠かったらしいにもかかわらず、えへえへ、と笑いながら最後まで嬉しそうに聞いていた。
この記事に対するコメント[2件]
1. には — June 15, 2005 @09:14:08
Yumikoit June 15, 2005 @09:23:21
なんつーのか、ツッコミどころ満載ですよねー。
この絵本では、2人の少女、神父、金物屋がそれぞれ前の人の腰に両手をあてて掴まっているのですが。
普通に考えれば「ガチョウから手が離れなくなっちゃった」と姉がわめけば、妹は姉の腰に手を回すのではなく、がちょうを持っている姉の手に片手を添えて、もう片方の手をガチョウのわき腹付近にあてて離そうと試みるはず。
神父もまた、一番後ろの妹の腰に手を回すのではなく、がちょうを抱えている姉娘の手を掴んで、離そうとするのではないでしょうか。
そうすると、数珠繋ぎにみんながぞろぞろ歩くようにはならない。
必ず、がちょうの周りにそれぞれの人々がぶら下がることになる。
それは磁石にぶら下がる砂鉄のような光景であるはずです…。
とかオトナの視点で読んでしまったりするわけで(--)
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