山岸凉子著
出版社 文芸春秋
発売日 1998.06
価格 ¥ 650(¥ 619)
ISBN 4168110486
ハトシェプスト―古代エジプト王朝唯一人の女ファラオ。らしい。
私は実は歴史には疎いので、そもそもファラオに女性がいたのかどうかすら知らなかった。
「古代エジプト王朝唯一人の女ファラオ」なんてサブタイトルがついているといわゆる伝記的な切り口のストーリィを想像してしまうけれども。違うんだなぁ。
血を止める奇跡を起こせる姉妹が不思議な貴族の男性に会う。
普段は葬式の時などになく、泣き女が仕事。
血を止めるその能力に目を留められて、応急に連れてこられて、貴族の男性と思ったのは実はファラオの第一王女ハトシェプストであると知る…。
ハトシェプストの内面や王位を望むことになった経緯や王位を得た後の政治などはあまり描かれていない。ただ、ハトシェプストが王位を得るちょっとした事件を、姉妹の姉の方の視点からすっと切り取るように描かれているだけ。
2編からなるハトシェプストのストーリィのもう一編は、ハトシェプストの幼い頃。男性になりたい、男性のようになりたいと願った一人の少女。
台詞とか構成がとても巧みで、最後の一コマが波紋のように印象を深める。
Comments