朝はかろうじて降っていなかった冷たい雨が、お迎えの時には降っていた。
昼寝をしていない2号の手を引いて、1号のカッパと傘を持って幼稚園にいく。
少し遅くなったなぁ。
幼稚園に着くと、1号がさっとズックに履き替えていつものようにカバンを私に押し付けていこうとするので
「1号っ。外は雨降ってるから、カッパ着なさい!」
と言うと
「いやっ。お外で遊ぶ!」
だーかーらっ。雨降ってるから外では遊べないって。
「いーやー!外であそぶぅ!」
…とにかくカッパ着なさいっ。
「やっ!」
1号は地団太を踏み、他のお友達にも注目されてちと恥ずかしい。
…ううむ。埒があかない。もういいや。
そうか。判った。じゃあ外で気が済むまで遊んできなさい。
「かさ、頂戴」
…やだよ。だって、あんたそういって傘持って園庭中傘の先突き刺して遊んで、傘の軸曲げたり、傘の中に水溜めて遊んだりするから。
あんたの傘、この1年間で壊しまくって3本目なんだよ。
ぷぅっとふくれて、それでも園庭に飛び出してった1号。
園庭にはそれでも4,5人の子が傘をさして遊んでいる。ナイロン製のジャンバーのフードだけかぶってブランコに乗っているつわもの?もいる。
5分もそうやっていただろうか。
園庭の隅のほうにいたはずの1号が、ビェ〜と泣きながら寄ってきた。
指が痛いとかなんとか言ってるが、要は痛いから泣いてるんじゃなくて、私のところで泣きたいから口実作ってる感じ。
しばらく泣かせてから
「まだ痛い?それとももう一度遊びにいく?」
と訊くと、小さい声で
「帰る」
とやっと言った。
ところで1号よ。Kじくんのお母さんが、雨の中歩いて帰るのは大変だろうと、クルマで送ってくれると言ってくれているが?
「やぁっ!歩いて帰るのっ!」
…うう〜む。あんたはそれがいいだろうが。わたしゃ嬉しかったんだけどなぁ。
仕方ない。歩いて帰ろう。Kじくんママ。すごく嬉しかったけど、お気持ちだけ。本当にありがとう。
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