ドリアン・グレイの肖像

ドリアン・グレイの肖像

ワイルド〔著〕・福田恒存訳
 出版社 新潮社
 発売日 2004.07
 価格  ¥ 620(¥ 590)
 ISBN  4102081011
★★★☆☆
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自分の美を称える肖像画。画家がその全てをかけて描いた肖像画でもある。その肖像画に対してふと
 「もし『ドリアン』がいつまでも今のままでいて
  代わりに肖像画が萎びてゆくのだったら
  どんなにすばらしいだろう」
とつぶやく。

ある日ふと、自分の退廃的な方向への変化が、自分自身ではなく絵に表れていることに気づくドリアン。
身分の違う下層階級の女性への恋とその破綻。女性の自殺。
阿片窟。
ありとあらゆるデカダンの享楽。
そして画家を殺害。
ドリアンはさまざまな悪徳に染まっていくが、彼自身の風貌は変わらない。
全て、絵が肩代わりしているからだ。
そして絵に刃を向けたとき…。

耽美主義的な文章は、古風だけれども読みやすい。

? posted by Yumikoit at 12:17 pm pingTrackBack [0]

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