レーナ・マリア著・ビヤネール多美子訳・瀬口巴訳
出版社 小学館
発売日 1998.03
価格 ¥ 1,400(¥ 1,333)
ISBN 4093560617
笑顔の素敵な女性である。
チャーミングな笑顔で鏡に向かい、口紅を塗る表紙。
しかし口紅を持っているのは、足だ。
生まれながらにして両腕を持たず、片方の脚が極端に短い彼女。
可哀想、と言うのは簡単だ。しかし生まれながらに眼が見えない人が色鮮やかな世界を知らないのと同じように、彼女にとっては生まれながらに与えられた環境だ。
可哀想、と言われて育ったのではなく、それも個性として弟と同じようにわけ隔てなく育てられた彼女は、非常に幸福な女性だと思う。
彼女を育てたご両親の勇気と努力こそがすばらしいのだろう。
不幸だと言われて育ったのではないからこそ、愛情あふれる家庭で育ったからこそ、彼女の笑顔がきれいなのかもしれない。
人生の暗の部分ではなく、陽の部分を見て生きたいとき。前を向いて歩いていきたいときに、勇気付けられる気持ちになる。
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