ロバート・A・ハインライン著・矢野 徹訳
出版社 早川書房
発売日 1997.07
価格 ¥ 882(¥ 840)
ISBN 4150102309
あまりにも有名なこの作品、ハインライン好きの私としては珍しく?未読なので読むことにした。
といっても今まで読む機会がなくて読まなかったわけではない。
軍国主義に傾倒した問題作としての批評もあり、ミニタリーネタの多い作品にはなかなか感情移入しにくいので忌避していた一面もある。
# 同じ事情でJ.P.ホーガンも一連の作品の中で忌避している作品群がある。
また、ハインラインの長編は前半と後半で著しくストーリーの構成が変わってしまったりする駄作が多い一面もある。
それでも好きなんだけどね。ハインライン。
映画にもなってるし、ガンダムのモビルスーツの元ネタにもなっていることで有名なこの作品。
でもやっぱりだめでした。
面白いとか駄作とか、そういうレベルじゃなくて。それなりに読ませるんだけどね。
どうも私の場合、ハインラインの作品にのめりこむにはキャラクターで入る傾向がある。他の作家でもそういう作品は多いけど。
どういうキャラクターがすきかというと、定番だけどラザルス・ロングやマイクロフト・ホームズ、ディーティー、スラップスティック・りビィといった強烈な個性が好き。ラモックスも捨てがたい。
しかしながら本著の場合、主人公の個性が弱い。ラザルスのように確信犯でもないし、かといって悩みながら軍人やってるんでもないし。
たぶん、読み返さないんじゃないかな、と思います。これは。
この記事に対するコメント[4件]
1. えぐぞせ — September 25, 2004 @02:29:26
読んでて苦痛だったので、二度と読み返すことはありませんでした。
# よって、映画も見に行くことは無かった
Yumikoit September 25, 2004 @19:28:00
特に本著は評価が両極端とは聞きましたが…。映画も見なくていいや、と思いました、ホント。
3. Koji2 — September 30, 2004 @07:25:54
気に入ってたのかもしれません。忘れましたが。
ハインラインの戦争モノでは『月は無慈悲な夜の女王』の方が好きだったはずですが……。
『宇宙の戦士』は、なんの取り柄も無い少年が猛訓練と実戦をくぐり抜けて一人前の兵士になるっていう成長物語ですよね。
読むのが苦痛に感じるほどひどい作品かなぁ?
OVA版は、なんだかよくわからないけどオチは恋愛モノで、「『マクロス』かいっ!」って感じでした。
OVAが作られた一九八八年当時は、すでに共産党書記長はゴルバチョフでしたがまだソ連軍はアフガニスタンにいるという、米ソ冷戦時代の末期でした。制作サイドとしても、アニメで軍隊を賛美するような内容は歓迎されないだろうと判断したんでしょうね。
当時見た印象でも、なんか古臭いセンスだなと思ったような記憶があります。
Yumikoit September 30, 2004 @08:56:47
もともと軍事とか戦争とかのネタでも、それ以外の要素…がないとなかなか入り込めないものが多いんですよ。
「愛に時間を」でもラザルスが過去に戻って戦争に行くシーンがありますがこちらは全体の流れの中があるのであまり気にならなかったんですけど…。
トップガンも、映画はまぁスピード感があって面白かったけどストーリーそのものにのめりこむというほどでもなかったし、エリア88も戦闘シーンはすっ飛ばして読んでいたような…性格なんでしょうね。σ(^_^;)
ガンダムとかマクロスみたいなナイーブさの目立つ主人公だと、成長物語としても楽しみやすい気がします。
コピーライト読むと、今から50年前の作品なんですね。古臭いわけだ。
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