森博嗣著
出版社 新潮社
発売日 2002.12
価格 ¥ 740(¥ 705)
ISBN 4101394318
先の「黒猫の三角」よりも、面白かったです。
海峡大橋を支えるコンクリートの塊。その内部に作られた「バルブ」と呼ばれる秘密のシェルター部分に集まった6人が、一人、また一人と殺されていく。
実は最初の一人が殺された時点で、犯人のめぼしがついてしまった。2人の入れ代わりがどう相関するのかわからなかったけど。
トリックとしてはありきたりだけど、森博嗣ならではの視点の変化とか「どんでん返し」の表現とか、キャラクターたちの会話でまぁまぁ楽しめた。
自殺に対しての見解、原子力発電に対する見解などなど。本編とは関係ない一連の会話の展開にはなるほどと本心より同意できる考え方多し。多分森博嗣氏の普段からの信念なのであろう。
そうそう。「解説?」の中で「数奇にして模型」の中の一文に対しての記述がある。
儀堂世津子が萌絵に「マル高近いしね…」といったくだりだが、確かに30歳前では今はマル高には当たらない。
しかしこれは解説にもあるとおり儀堂がマル高かどうかということを言っているのではなく、本当は「そんな、儀堂さんならまだマル高じゃないですよ!」と普通ならと ツッこむところなのに世間知らずの萌絵が突っ込まない。
そういう萌絵のトッポさを表現している箇所であると思った。森氏に一票。である。
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