清原なつの著
出版社 早川書房
発売日 2001.06
価格 ¥ 840(¥ 800)
ISBN 4150306672
ほっそりとした線を描く清原なつののSF短編集。
「お買い物」
着物姿で買い物籠には大根とねぎを入れた女性が、「アップグレードキット」を買うかどうかで迷っている。でも型が古くて使えない。大幅なハードの改造が必要。というわけで骨董品やさんにいって…ネタの割にノスタルジックな描き方がアンバランスで面白い。
「アンドロイドは電気毛布の夢を見るか」
汎用型アンドロイドを開発。安価で大量に売り出すことになった。モデルに最愛の婚約者の顔を使ったから婚約者には愛想をつかされて…。うん。ネタとして予想できますね。ラスト。というか、それがタイトルの仕掛けか。
「千の王国百の城」
地味な商社マンは定時後は大人気のファンタズマゴリアの語り部。その時だけは古の物語を語る語り部にタイムスリップ。
でも本当に、遺跡や古いものに触るだけで、その時代へタイムスリップできる超能力を持っている…。全2編。
アレクサンドル大王時代を舞台にエキゾチックなストーリーが良いかな。
「真珠とり」
宇宙船乗りの夫をコールドスリープで待つ妻。
夫と息子を地球に残して火星に赴任するけど、テロに巻き込まれちゃうやり手の女性火星大使。
初めての女性スペースパイロット候補生。誰よりもプレッシャーを感じて心を武装している。心を開いたルームメイトの男性。
全3編。
「金色のシルバーバック」
アフリカに帰ってくるなり、ゲリラに巻き込まれて両親とはぐれてしまった16歳の少女。助けてくれたのは知能を持つゴリラだった。
「銀色のクリメーヌ」
巻き毛の可愛らしい少女として書かれていたので、だいぶ読む進むまで気付きませんでした。チンパンジーの少女を人間のように育てて、人間のように愛してはぐくんでいる…いつからか研究を外れて。
ラストシーンがちとかわいそうですな。ちょっとブラック。
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