マン・プラス

フレデリック・ポール著・矢野徹訳

出版社 早川書房
発売日 1989.08
価格  ¥ 550(¥ 524)
ISBN  4150108331
★★★★★
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私の大好きな、ある意味ルーツ的な本の1冊。
かなりネタばれになるが、あらすじをここに記す。

火星殖民計画の一環として、火星環境に適応したサイボーグを作る。
サイボーグ1号は実験中に死亡し、ロジャー・トラウェイがサイボーグ化手術を受ける。
サイボーグとなったロジャーはサイボーグである自分の身体の使い方を色々習得する。
妻の不貞を知ったロジャーは、一人思い悩むが、ある時研究所を脱走して妻に会いに行く。しかしその会見は失敗であった。研究所に帰ってきたロジャーは悟る。手術によって確かに自分は、生殖機能を失った。しかしこの事件によって、生殖能力が自分のアイデンテティに与えていた力が、それほどに大きくなかったことに彼は気づく。

そして火星に彼は行く…

とまぁ、こんなストーリーだ。
この話の面白いところは、多くのサイボーグが出てくる話にあるように「サイボーグになったところ」から話が始まるのではない。
一人の人間が、サイボーグになる過程が描かれているといった方がよいだろう。
特に、コンピュータによって仲介され、脳に伝達される視覚データがどんなふうに認識されるようになるのか。脳からどんな風に各末端の身体機械を操作するようになるのか。
「目を閉じる?どうやって???」

そしてその結果、彼が「心身一体」となっていく過程…。
これを味わうことに、この本の醍醐味があると思う。

? posted by Yumikoit at 03:02 pm pingTrackBack [0]

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