グリム〔原作〕・グリム〔原作〕・西本鶏介文・丸山明子絵
出版社 チャイルド本社
発売日 2002.05
価格 ¥ 800(¥ 762)
ISBN 480542401X
1号が胃腸炎で幼稚園を休んでいるので、お昼寝用に読んでやる。
ストーリーは知らないものはいない話だが、こういうものこそ、機会を作ってやらなければ「読んだことがない」状態で育ってしまう気がする。まぁでも、幼稚園とか色々なところで触れるものなのかな???
1号はそれなりに真剣で、喜んで聞いていたが。
いまだに不思議なのは「狼は人を食べる」という子どもへの刷り込みはどのあたりから当たり前になるんだろう。会ったこともない動物なのに。
やっぱりこういう絵本からなんだろうな。
と色々関係のなさそうな考えばかり浮かびながら読む。
イラストは、ロウやクレヨンで縁取りした上から恐らく水彩で彩色した軟らかい色合いのもの。民族衣装のような先っぽの尖った赤ずきんと緑のベスト、赤いスカートのエプロンドレス。
首の下で結んでいるのは赤頭巾ちゃんのストーリーの生まれた国の民族衣装がそういうものなのか???と勝手な想像をめぐらす。
以前、イラスト雑誌MOEで紹介されていたことをもとに、少し調べてみる。
「赤ずきん」の舞台となるのは、ドイツ北部のツィーゲンハインという小さな村。
頭巾と同色の膝上のスカートの組み合わせをカッペ(Kappe)と呼ぶ。子どもは赤いカッペ。結婚すると若いうちは緑のカッペ。中年になると紫、未亡人が黒いものを着用する慣わしである。
赤ずきんのカッペは、原文によるとおばあちゃんが作ったものらしい。
http://ma-socks.hp.infoseek.co.jp/sirokumaryu_maturi/Schwalmstadt.htm
これを見ると、必ずしも日本の絵本でよく見られるようなずきんではないことは明らかで、コップを伏せたような不思議な小さい帽子を、黒い帯で首の下に結ぶような「ずきん」である。また、「赤」いずきんは文章を吟味すると、未婚の、とも読み取れるから恐らくは若い夫人も未婚のうちは赤いものなのであろう。
数年前はやった「オトナのためのグリム童話」の手の読み方をするならば、セクシュアルな読み方をする人がいるかもしれない。
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