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- Zilog Z80 (8bit CPU)
- Address bus 16bit, Data bus 8 bit.
- DIP40P、Clock 2.0Mz、4.0MHz、6.0MHz.
- N-MOS トランジスタ数 8,200.
- 1976/07発表
Z80 はIntel社を飛び出した嶋正利氏やFaggin.F氏らによって設立されたZilog社が開発したCPUです。
彼らは i8080 に対して以下のような改良を行いロングセラーとなるCPUを開発しました。
- 電源電圧の+5V単一化。
- 単相クロック入力。
- ベクトル割り込み機構。
- ダイナミックRAMのサポート。
- インデックスレジスタの追加。
- 裏レジスタの追加。
- 相対JUMP命令の追加。
Z80 は i8080 のアーキティクチャを拡張しましたが、命令コードについては完全に互換性を持たせました。
そのことが i8080 からの移行とソフトウェア資産の継承になり、もっとも普及したCPUになったといえます。
Z80 以降のCPUにおいてはソフトウェアの互換性が極めて重要になりました。
Z80 はそのセカンドソースも多く、後にC-MOS版も現れ、現在でも使用されているCPUです。
このページ頭の Z80 は2.5MHz版で1979年製です。
写真の通り封止がずれていますが、米国製のLSIにはこのような物が多々あります。
左の Z80 は4MHz版で1983年製です。
その後Zilog社は 6MHz版のZ80Bや8MHz版のZ80H等のファミリー展開を図ります。
左の Z80 はきゅるぺぽ☆氏より寄贈頂いた6MHz版の Z80Bです。
Z80 のセカンドソースではSHARP製が多く出回りました。
SHARPは周辺も合わせて供給したのでよくお世話になったものです。
左のCPUは共にSHARP製でプラスチックパッケージです。
上と下ではパッケージが微妙に異なっているが判りますか?
各社ともプラスチックパッケージは初めは上のような”つるつる”でした。
途中から静電気対策のため”梨地”に変更されました。
これはNEC製の Z80A (uCOM-82)。
NECはZilog社と正式にセカンドソース契約を結んでいなかったようです。
そのためか周辺LSIは全く製造していませんでした。
Z80 は後日C-MOS化されました。
これはNEC社製のC-MOS版 Z80。
最近入手したZ80を2個ほど。
Zilog社製の Z80A CPUです。
DATECODEを見ると77年製のようです。
所有しているZ80の中では最古参のCPUです。
Z80が出回りはじめた頃に良く見たMOSTEK社製のZ80です。
これもMOSTEK社製のZ80。
動作サフィックスが -10 とあります。
10MHz動作品なんでしょうか?
ちなみにMOSTEK社のパッケージサフィックスは P がセラミック。
一般的には Pはプラスチックなのにね。
MOSTEK社の-10サフィックスの正体がやっとわかりました。
動作周波数が 2.5MHz、動作温度範囲が -40〜+85℃のいわゆる工業用品でした。
ちなみに軍用は-20のサフィックス。わかりにくいなあ。
左の2つは、動作温度範囲が工業用のZ80A。
Zilog社に限らず、米国の半導体メーカは動作範囲により
細かくスペックを分けていました。
一般用、工業用、軍用といった感じです。
ちなみに工業用は動作温度範囲が-40〜+85℃です。
今回入手したZ80AはZilog社内部での型番変更前と
後の製品です。
上が旧型番(Z8400A)で下が新型番(Z0840004)です。
両方のDateCodeを見ると87年頃に型番の変更が
行われたようですね。
[2002/07/14訂正]
サフィックスDSAの温度範囲は一般用でした。工業用はDEAになります。
右のZ80Aは軍用、 動作温度が-55〜+125℃です。
よく見るとマーキングに"883C"の文字がありますが、これは温度範囲だけでなく、
MIL-STD-883という信頼性試験に合格した製品であることを示してます。
左のZ80Aは東芝製。C-MOS版です。
C-MOS版のZ80は他にはSHARP製のLH5080なんかがあります。
東芝は周辺を含めたC-MOS版のZ80ファミリーを
販売していました。
右はZilog社のZ80A。
1979年第8週品です。
右はMOSTEK社の Z80。
1980年第17週品です。
左は8MHz版のZ80 CPU。
Zilog社のZ80 CPU単体として最高速度でした。
左のZ80 CPUはは五輪様からのいただき物。
上からZ80A、Z80です。
Z80Aの最後のサフィクスが -Z というのは何なんだろ?
右はMOSTEK社製のZ80。1977年38週品です。
この時代はアメリカ (Dallas)で生産していたようです。
右のZ80 CPUは4MHz版。
1984年49週品とMOSTEK社最後の頃の製品。
左は1976年37週のZ80 CPU。
Z80の発表が1976年7月なので直後の石のようです。
で、裏を見るとMK3880Pの文字が。
この頃はMOSTEK社に製造委託をしていたのかも。