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- National Semiconductor NSC800 (8bit CPU)
- Address bus 16bit, Data bus 8bit.
- DIP40P、Clock 2.5MHz、4MHz.
- C-MOS トランジスタ数 不明.
- 1979年?発表.
i8080 の後継機種には i8085 と Z80 が有名ですが、もうひとつこの NSC800 という機種がありました。
NSC800 は一言でいうと、 i8085 のバスで Z80 の命令が使用できる C-MOS 型 CPUです。
バスは、 i8085 同様にアドレスとデータがマルチプレックスされています。
それによって浮いた端子を、 Z80の信号線と 外部割込み線に使用してます。
ソフト的には完全に Z80と同一で、ソフトウェアによる区別は困難です。
NSC800の特徴を列挙すると
- C-MOSにて構成され動作電圧が広く(+3 〜 12V、低消費電力(50mW +5V時)。
- バスはアドレスとデータがマルチプレックスされている。
- i8085同様の割り込み線と、Z80のNMI割り込み線を持つ。
- クロックジェネレータを内蔵。
- D-RAM用のリフレッシュ制御回路を内蔵(リフレッシュアドレス8bit)。
- Z80と命令・レジスタが完全互換。
と、いった感じでまさに i8085 の Z80 いいとこ取りのCPUでした。
リフレッシュ制御回路に至っては、本家 Z80 の 7bitに対し、8bitと拡張されていました。
この当時 C-MOS版のZ80がまだ発表されてないので、低消費電力版のZ80として使用された例もありました。
NSC800にも幾つかのファミリーチップがあります。
- NSC810 RAM-I/O-TIMER
- NSC830 ROM-I/O
- NSC831 I/O
- NSC858 UART
これらのチップは全てCPUと同様にC-MOSで構成され、低消費電力なシステム構成をとることが出来ました。
残念ながら、NSC800は他にセカンドソースも無く、i8085ほどもマーケットに受け入れられなかったようです。
コンセプトや性能を考えると残念ですが...。
使用例としては、CANONのハンドヘルドPCくらいで、変わったところでは観測衛星に搭載されたことでしょうか。
右は NSC800のデータシート。1979年7月版です。
このころは、NSC831とNSC858はファミリーにまだありませんでした。
左はNSC800の開発キットNSC888についてきたNSC800。
謎のサフィックス -1がついています。