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- MOTOROLA 6800 (8bit CPU)
- Address bus 16bit, Data bus 8 bit.
- DIP40P、Clock 1MHz、1.5MHz、2MHz.
- N-MOS トランジスタ数 5,400.
- 1974/08発表
通信機器メーカであったMOTOROLA社が生み出した最初のCPUです。
M6800 と i8080 は初期のCPU市場に於いて人気を二分しました。
INTEL社が電卓から出発したのに対し、MOTOROLA社はミニコンのワンチップ化を目指しました。
そのため、 i8080 に比べ M6800 の方がすっきりとして判りやすいと言われました。
アドレッシングモードも i8080 に比べて豊富でプログラムし易いCPUとして高い評価を受けました。
その一方で汎用レジスタの数が少ないことと、I/Oアドレスが分離していない点が i8080 派から攻撃されものです。
結果として、 M6800 は発表時期の遅れが響き市場において i8080 のシェアを奪うことはできませんでした。
MOTOROLA社は 16bit CPU、32bit CPUでも出荷時期の遅れが INTEL社からシェアを奪えませんでした。
M6800 は満を持して発表した分、 i8080より使い易さの点で改良されていました。
- +5V単一電源である( i8080 は3電源)。
- 外部に制御回路が不要( i8080 は i8228 等が必要)。
- 非マスク割り込み、ソフト割り込み等豊富な割り込み機能をサポート。
- 相対JUMP命令がある。
写真の M6800 は1MHzクロック版で、1975年製の物です。
MOTOROLA社の動作クロックの命名法は独自でした。
他社は型番の最後にAとかB、-1等を付けていましたが、初期のMOTOROLA社は途中に付けました。
例えば、1.5MHz版の M6800 は MC68A00、2MHz版は MC68B00 といった具合に。
この命名方法は周辺デバイスを含め、 M6809 の頃まで続きました。
最近入手した6800をいくつか。
右の MC6800はサフィックスが CLとなっています。
この CLサフィックスは高信頼性版とのことで、
通常版より3割程度価格が高めでした。
表面にはワニスのようなものが塗ってありますが、
どういった効果があるのか疑問です。
左は 日立製の 6800。
日立は当初 6800シリーズに HD468xxxの型番を付けていました。
暫くして、モトローラ社型番を併記するようになり、その後はモトローラ社型番だけになりました。
右はこの6800ページの目玉、XC6800です。
CPUメーカは新製品の発表後、市場で評価してもらうため
限定してサンプルを出荷することがあります。
これをエンジニアリングサンプル(ES)と呼びます。
このXC6800はまさにそのES版で大変貴重なものです。
モトローラ社ではES版にはXC型番をつけていて、後日の
68020等にもXC型番で市場に出回った製品があります。
このES版のDATECODEは1975年19週で、そのころはまだES版が出回っていたようです。
1975年は8bitCPUのもう一方の雄 i8080もノンA版とA版が混在していた時期ですね。
パッケージの上の方が欠けていますが、元々なのか後からなのかは不明です。
左は最近入手した動作クロック2MHz版の6800。
1978年第37週の製造品です。
左はSGS-Thomson社(仏)製の6800。
SGS-Thomson社はこの他にも68000のセカンドソースを
売り出していました。
右はAMI社製の6800。2MHz版です
よく見るとマークが逆!。 M6802のところでも触れましたが、
AMI社は逆のマーキング品が多々あります。
AMI社製の6800を入手しましたがやっぱりこいつも
マーキングが逆!
ここまでくるとこれも仕様なんでしょうね。
XC6800の2個目です。
こいつは、前のXC6800よりもちょっと新しくて、1975年の第26週品です。
上の方に謎のサフィックス"-1"があります。
左はM6800システムを紹介した小冊子。
M6800の概要、周辺LSI、開発システムなどについて書かれています。
左は富士通製のM6800互換プロセッサです。
ピン配置、電気特性等はM6800と互換性があります。
MB8861の動作速度はMB8861Nが1MHz、MB8861Eが1.5MHz、
MB8861Hが2MHzです。左のMB8861は2MHz版です。
このころの富士通は型番からパッケージが判らないので
購入するときに注意が必要でした。
MB8861は富士通によって次の命令の拡張が行なわれました。
- NIM命令 ビット操作命令(AND)
- OIM命令 ビット操作命令(OR)
- XIM命令 ビット操作命令(XOR)
- TMM命令 ビット操作命令(テスト)
- ADX命令 インデックスレジスタ操作命令
これらの命令拡張はMB8870(M6802互換)にも引き継がれました。
右はMB8861のパンフレット(1977年製)。
特長や周辺LSIの解説が書いてあります。
右はFairchild社製の 6800 2MHz版。
右はAMI社 6800 の最初期のセラミックパッケージ版。
で、やっぱりマーキングが逆です。この写真はマーキングが
正しく見えるようにしています。
右上に逆にみえるYの刻印がありここが1番ピン。
AMI社の AMI6800 Family開発ドキュメントがあるので
今度パッケージ情報を調べてみよっと。