1号が昼過ぎから、庭で化石掘りをしている。
うちの実家の庭は、表面は庭土を外から運んでいるのだが、元々あった砂岩のある場所の岩を割ると、貝塚の貝の化石が結構見つかるのだ。
「おじいちゃーんー。化石を割る何か道具とかない?」
と結構盛り上がっている。
自由研究にでもするつもりなのかねぇ。
「いや、自由研究は理科の宿題として出てるから無理。貝塚だとどう見ても社会科だろっ」
あー。そうかもしれない。
夜は外に食べに行って、帰りに松島の土産物屋をあちこち覗いて帰ってくる。
五大堂って実は初めて行くかもしれない。
「あ。そういや俺も初めてだ」
と飼猫氏。へぇ。県南で育ったあたしと比べて松島に行く頻度は飼猫氏の方がよっぽど多かったように思うんだけどな。
行きは電車だったんだけど、帰りは歩いて帰ることになる。一駅だけだしね。
ずいぶん歩いたところで実父が声を上げる。
「あちゃー。ここのアイス屋狙いで歩いてきたのに、もう閉店時間かっ」
そういや途中の伊達政宗の記念館も7時閉店だったし、途中の土産物屋も軒並み7時閉店だったね。
この辺は7時閉店が主流なのかー。あ、ここも全部シャッターが下りてる。
「いや、ここは津波をかぶったから、1回は全部閉まってるんだ」
あ。やっぱりまだそういうところが残ってるんだな。
道路は陥没してるところとか、幹線道だけかさ上げして明らかに横道が沈下しているところとか多少あるからわかるんだけどね。
お茶して帰りたいなら、この先
一の坊 も
壮観 もあるからそっちの喫茶ルームが使えるんじゃない?
そう思って一の坊に行くと、こちらも食べるのは宿泊客以外は7時までという。ならば壮観だと壮観に行く。
津波のあと、温泉を無料開放してたのってここだって言ってなかったっけ。
「そうそう。水道はずっと使えなかったから、とても助かったのよね」
と母。かけ流しの源泉が解放されていて、ちょっと熱かったがそれがまたよかったらしい。
「ここのホテルは、地震で屋根なんか半分も落ちてね。そんな中でお風呂だけ解放してくれたのよ」
へぇ。よかったねぇ。
ホテル横手にある喫茶がいいんだ、と父がそちらに回るがそこで何やらホテルの人と話をしている。
やっぱり7時まで?
「いや、地震のあと結局喫茶ルームは完全に閉店して使ってないそうだ」
そうなんだ。松島は被害が少なかったといってもまだまだこういうところが残ってるんだな。
仕方ないのでコンビニでアイスを買って家に戻ってみんなで食べる。
おじいちゃんが買ってくれてた花火、今日やらないとやる時ないよね。
というわけで、外に出てみんなで花火。ついでに流星群観測。
芝生の上に仰向けになって寝っ転がって、上を眺めていると結構流れてくる。
大きな二つの流星が、同じ方向から並んで大きく空を横切って行った。
あれなら十分、願い事が言えたはず。
帰省 2号 1号 地震
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