梅田俊作さく・梅田佳子さく
出版社 ほるぷ出版
発売日 1986.12
価格 ¥ 1,575(¥ 1,500)
ISBN 4593560160
今の子達は、前も見えないような吹雪の中歩く、という経験をしている子は少ないだろうなぁ。
まず豪雪地帯に住んでいるかどうか。雪の降っている時にわざわざ出かけなくちゃいけない用事があったり、吹雪の中でも出かけても、クルマで行くことが殆どかも。
私は今は普段運転をしないので、去年は吹雪の中1号の幼稚園のお迎えってことが時たまあった。そういう時は、まだ2号が歩き出したころであったからおんぶして連れて行くことが殆ど。
1号の顔をマフラーで覆って帽子を目深にかぶり、耳当てをさせて…。ふぶいてくる雪が顔にぶつかって痛い、と1号が泣いていた。
子どもの足で歩いても片道10分ちょっと。
たどたどしい2号の歩きでも、頑張って遊ばずに休まずに歩けば往復40分くらい。いつもは遊びながらだから、1時間くらいかかるけどね。
絵本の中の子は、4歳くらいかな?もうちょっと上かしら。
おばあちゃんちに帰省して赤ちゃんを産んだお母さんに会いに行く。
すぐ前を歩くお父さんの漕いだ雪道を踏みしめて歩く。
# そういや雪道を漕ぐって言葉も死語かしら。
時々、見覚えのある樹などが雪の中現れる。都度思い出すおばあちゃんとの風景。
我慢しないで、泣いていいんだよ。と繰り返し語りかけるばあちゃん。
ふと気がつくと前を歩いているお父さんの姿が見えない。
このまま死ぬのかなぁ。
吹雪の中歩くという行為は、眠りにつく、あるいは死に至るというシチュエイションと似ている。
繰り返し自己イメージを反復して自分の中に降りていく。
赤ちゃん、というひとつの生に至るイメージにたどり着くまでの道。
…いや、子どもはそういうことまで考えないで読むもんだけどね。
しかしなぁ、2号も今年は雪が降ったからおんぶ、なんて嫌がって歩くだろうなぁ。さてどうやって雪の中のお迎えしようかなぁ。
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