- National Semiconductor MM57109
- NOP (Number Oriented Processor).
- 汎用品.
- DIP28P
- P-MOS トランジスタ数 不明.
- 1977年頃発表.
MM57109は8080や6800等の汎用CPUに接続して使用する数値演算用のLSIです。
8080や6800には掛け算や割り算、16ビットを超える整数演算や浮動小数点演算機能がなく、
それらをすべてソフトウェアで行おうとすると、開発に膨大な時間がかかりました。
外部に数値演算専用のLSIを用意しそれを使用することで、複雑な数値演算処理が簡単な
プログラミングで行うことができました。
MM57109はまさにその最初期のLSIでした。
MM57109の特徴を簡単に示します。
- 電源電圧は+5Vと-4Vの2電源
- 400KHzの動作クロック
- 有効桁数は8桁
- 数値演算処理は浮動小数点方式
- 加減乗除演算機能を持つ
- sin,cos,tan等の三角関数をサポート
- 平方根、log等の基本的な超越関数をサポート
MM57109は関数電卓のLSIにCPU用のインターフェースを付加したような構造になっています。
一説にはHP社の関数電卓用に開発されたLSIをNS社が流用したという話もありました。
MM57109は価格の割に機能が豊富でしたが、演算速度が大変遅いのが大きな欠点でした。
代表的な演算処理の平均時間を示すと
- 加算 2.2mS
- 減算 2.2mS
- 乗算 3.2mS
- 除算 7.8mS
- 平方根 7.0mS
- べき乗 55.4mS
- log 30.7mS
- sin 56.2mS
で、まさに電卓的な処理時間でした。
このページのMM57109は稲田様からのいただきもので、1978年の第35週品です。