- 日立 HD63484
- ACRTC (Advanvced CRT Controller).
- 汎用品.
- DIP64P
- C-MOS トランジスタ数 不明.
- 1984年頃発表.
HD63484はそれまでのCRTコントローラ(HD6845S)の後継機種として開発されたLSIです。
Advancedの名前の通り、従来のCRTコントローラに対し、特にグラフィックスが強化されました。
HD63484の特徴を簡単に示すと。
- グラフィックスの描画機能(直線、円、精円、塗りつぶし)を持つ
- 高速描画(500nS/画素)
- 32byteのパターンRAMを使用したパターン描画機能
- 最大2Mbyteのフレームバッファ
- 画面分割/拡大表示/スムーススクロール機能を持つ
HD63484は同時代に発表された、uPD7220(日電)を強く意識して開発されたようです。
持っている機能の幾つかは、uPD7220を強化した部分がありました。
uPD7220がPC9801シリーズに採用され、かなり広く使用されたのに比べ、このHD63484がPCなどに
使用された例はほとんど聞きません。一部のオフコン(たしかEPSONだったと思う)に採用されたくらいです。
あとは、産業用のコンピュータボードに使用されていたようです。
HD63484やuPD7220のようなグラフィックス描画機能を持つコントローラは80年代中盤から90年代にかけて
各社から発表されましたが、次第に下火になって行きました。これはCPUの性能が向上し、
グラフックスコントローラ無しでも分な描画機能が実現されたためです。
この傾向はWindows3.1が普及するころまで続きました。
Windows3.1以降はグラフィックス描画機能への要求が高まり、Windowsアクセラレータと呼ばれる
あらたなグラフィックスコントローラが開発され今日に至ります。
HD63484は最初のRマスク品から始まり、
Sマスク、Uマスクと改良されました。
このページの先頭は"R"マスク品で、
右の"U"マスク品は森沢様よりの
いただき物です。