- AMD AM9511
- APU (Arithmetic Processing Unit).
- 汎用品.
- DIP24P
- N-MOS トランジスタ数 不明.
- 1977年頃発表.
AM9511は汎用のCPUに外部デバイスの形で接続する数値演算専用のLSIです。
AM9511は豊富な演算機能と高速な処理速度で、8bit CPU時代は広く用いられました。
AM9511の特徴を簡単に示します。
- 電源電圧は+5Vと+12Vの2電源
- 動作クロックは2MHz、3MHzと4MHzの3種類
- 16bit、32bit符号付整数と、32bit長の実数をサポート
- 演算処理はスタックオペレーションで行う
- 整数と実数の相互変換機能をもつ
- 加減乗除演算機能を持つ
- sin,cos,tan等の三角関数をサポート
- 平方根、log等の基本的な超越関数をサポート
AM9511はソフトウェアの演算処理と比較すると10〜1000倍くらい演算速度を早くすることができました。
代表的な演算処理の最大時間(動作クロック2MHzの場合)を示すと
- 整数(32bit)加算 11uS
- 整数(32bit)減算 20uS
- 整数(32bit)乗算 109uS
- 整数(32bit)除算 105uS
- 実数加算 180uS
- 実数減算 270uS
- 実数乗算 84uS
- 実数除算 92uS
- 実数-整数変換 170uS
- 平方根 432uS
- べき乗 6.01mS
- log 3.56mS
- sin 2.41mS
超越関数と三角関数はすべて実数演算です。
MM57109と比較しても10〜200倍程度の高速化が図られています。
AM9511は後に改良されAタイプとして比較的使用され、INTELがセカンドソースを供給していました。
INTEL社の i8231/i8231AはこのAM9511/9511Aのセカンドソース品です。
AM9511の姉妹プロセッサとしてAM9512という製品があります。
AM9512は演算処理を四則演算に限定する代りに64bit長の実数をサポートしました。
AM9512はAM9511ほどは使用されませんでしたが、AM9511同様にINTEL社にi8232の型番で
セカンドソース品がありました。
このページの写真のAM9511はAバージョンで動作クロックが3MHzの製品です。
右はINTEL社のセカンドソース品。
しっかりとAMD社のCopyright Messageが入っています。
ちなみに1982年33週品。
右の8231はノンA版。しかもES版です。
1980年24週品です。
上の8231Aの表記に(C)1980 AMDとありますので
このへんでノンA版とA版が切替ったようですね。