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- 日立 HD46505
- CRTC (CRT controller)
- HMCS6800ファミリー
- DIP40P
HD46505は初期のCRTコントローラとしてパソコンや自作派の皆さんに広く使われたLSIでした。
それまで、10数個のTTLで構成されていたCRT用のタイミング発生回路をひとつのLSIで
構成できるようになり、CRT表示回路の作成が容易になりました。
HD46505にはCRTへの各種信号を発生するための必要なカウンタがすべて入っていました。
HD46505では次に示すレジスタを制御しCRT上に図形や文字を表示しました。
- 水平文字数レジスタ
- 垂直文字数レジスタ
- カーソル制御レジスタ
実際にはもう少し制御レジスタがあります。
HD46505はCRT用のタイミング発生機能しかないため、実際の回路を作成するためには
ビデオメモリー(VRAM)、キャラクタジェネレータ(CG)やビデオ信号への変調回路が必要でした。
HD46505は14bitのVRAMアドレスを持ち、 最大で16K語までのVRAMを制御します。
ここで16K語と断ったのはCGの構成よっては、1語が8bitの場合と16bitの場合があるからです。
まあ、ほとんどが8bitで構成されましたが...
ちなみに8bitの場合はASCII+半角カナ文字、16bitは全角文字が表示できます。
HD46505は仕様上での最大画面サイズは256文字×64行でした。
製作例としては専用のディスプレイ用で80文字×25行、TV画面応用で64文字×16行が多かったようです。
HD46505に代表されるこの時代のCRTコントローラは、キャラクタ表示処理が主で、グラフィックス処理は
ほとんど考慮されていませんでした。
実際、HD46505もキャラクタ表示が主な使い方で、しかも白黒が基本でした。
この点、uPD3301に代表される次世代のキャラクタ主体のCRTコントローラでは、文字又は行単位に
色や反転、点滅などの属性(アトリビュート)が設定できました。
HD46505には、最近ではもっぱら使用されなくなった、ライトペン用のI/Fがありました。
もっともライトペンを使用した製品はほとんど普及しませんでしたが...
HD46505は途中改良され、HD46505Sとなりました。
Sバージョンでの主な改良点は次のとおりです。
・インタレース時の各種設定が追加
・垂直同期信号のパルス幅が指定可能
・スキュー機能の追加
・リセット信号入力時の信号線の扱いを変更
HD46505Sのパッケージ/表記は右のように変わりました。
初めはSの追加で、次にモトローラ型番の併記。
最後はモトローラ型番への統一でした。
また、プラスティックパッケージは当初のツルツルから
静電気対策で最後の梨地に変わりました。
真中のHD46505Sは佐伯様からのいただき物です。
左はMOTOROLA社のMC6845。
HD46505のセカンドソース品です。
他にもRockwell社にもセカンドソース品がありました。
HD46505はC-MOS化され、HD6345となりました。
右のHD6345は五輪様からのいただき物です。
左の2つはmasa様からいただいた HD46505。
上が貴重なセラミックパッケージ品。
下は良く見るプラスチック品です。
このプラスティック品はロット番号(1C1)から
HD46505Sへの移行期間の製品のようです。