- Z80 MCB (Zilog社)
・主な仕様
CPU : Z80 (2.4576MHz)
ROM : Max 4Kbyte
RAM : 4/16Kbyte
PIO : 20bit
SIO : 1ch (RS232/TTY切替)
Timer: 4ch
その他: 4bit DIP-SW
BUS: 独自
寸法 : 196 ×191 mm
電源: +5V単一
Z80 MCB (Microcomputer Board)はZilog社製のZ80 CPUボードです。
Zilog社のZ80 Microcomputer Boards ファミリの中核として位置しています。
右はCPU周辺。Z80 CPUと左側にZ80 PIOが見えます。
CPUは2.5MHz版のCPUを2.4576MHzで動作させています。
PIOは2.5MHz版を使用しています。写真では判りづらいのですが、
PIOの周りにはPIOから信号を引き出すためのパターンがあります。
持っているZ80 MCBではここから信号を取り出しています。
右はメモリー周辺。上がROM領域、その下がRAMです。
Z80 MCBは24pinのROM用ソケットを4つ持ち2708タイプのROMで
最大で4KByteまで実装できます。
ROMには2704、2708、2716のUV EP-ROMの他に
6341/6381等のバイポーラP-ROMも使用することができました。
このボードには2708型のROMが4つ刺さっていました。
RAMはD-RAMを使用しています。
製品には4Kbyteと16Kbyteの2種類がありました。
Z80 MCB/4が4Kbyte、Z80 MCB/16が16Kbyteタイプです。
このボードは4116型D-RAMを使用した16Kbyteタイプです。
Z80 MCBのメモリーマップは次の通り。
| Z80 MCB/4 | Z80 MCB/16 |
FFFFH | 未使用 | 未使用 |
8000H | 未使用 | 未使用 |
4000H | 未使用 | RAM領域 |
2000H | 未使用 | 未使用 |
1000H | RAM領域 | 未使用 |
0000H | ROM領域 | ROM領域 |
左はシリアルI/FとDC/DCインバータ部分です。
Z80 MBCは8251型USARTを使用したシリアルI/Fが
搭載されています。
通信レートはZ80 CTCを使用しシステムクロック 2.4576MHzを
分周して作成されています。最大速度は 38400BPSでCTCへの
プログラムで自由に設定できます。
シリアルI/FはRS232Cレベルか20mAのカレントループを選択して
使用します。
写真の左上がZ80 CTC、中央が8251型 USARTです。
写真の右側はDC/DCコンバータで、基板内で使用する
D-RAM用の+12Vと-5V、シリアルI/F用の-10Vを生成しています。
写真の中央下には4bitのDIP-SWがあります。
このユーザ用でDIP-SWはプログラムで読み出せます。
写真の左上には 19.6608MHzの水晶発振回路があります。
この周波数を1/4してCPUやCTCで使用するシステムクロック
2.4576MHzを生成しています。
左端にはフリー用のパターンが有り DIP型 16PinのICを
4個まで実装できます。
このZ80 MCBでは3つほどPIOからのバッファに使用しています。
Z80 MCBのI/Oマップは次の通り
DFH | USART status/control |
DEH | USART data |
DDH | DIP-SW |
DBH | PIO port B control |
DAH | PIO port A control |
D9H | PIO port B data |
D8H | PIO port A data |
D7H | CTC ch 3 |
D6H | CTC ch 2 |
D5H | CTC ch 1 |
D4H | CTC ch 0 |
左はZ80 MCBのロゴ。
Z80 MCBの資料や使用例はなかなか見つかりません。
このページはZilog社の1981年版Data Bookを見ながら書いていますが回路やコネクタのピン配置が判りませんでした。
確か1980年11月号のトランジスタ技術誌に記事があり、そちらに回路図などがあったように記憶しています。
右はZ80 MCBの裏。
PIOからの信号をバッファして使用するために
ジャンバ線が幾つか走っていますね。
左はシリアル番号と製造月日の拡大。
この Z80 MCBは1980年製造品ですね。