- MDK-286 (iAPX286 MICROSYSTEM DESIGN KIT)
INTEL 80286 (iAPX286)の開発用にCPUとその周辺LSIのセットです。
INTEL社に限らず、各社は新しいCPUを発表するとそのファミリーICをユーザに使ってもらうため
このような開発用のICセットを発売するようです。
古くは8080の頃にもファミリーICをセットにして発売していました。
MDK-286は80286(iAPX286)とそのファミリーLSIをまとめたもので、実際のICと技術資料を一緒にした製品です。
MDK-286には次のICが含まれています。
- 80286 iAPX286 CPU
- 80287 Numeric Coprocessor
- 82284 Clock Generator
- 82288 Bus Controller
- 8207 Dual Port DRAM Controller
- 8208 DRAM Controller
- 82730 TEXT Coprocessor
- 82062 HARD Disk Controller
- 8272A Floppy Disk Controller
- 82586 LAN Coprocessor
- 82530 Serial Communication Controller
- 8256 Mulitifunction UART
- 8751 MCS-51 CPU (EP-ROM Version)
- 8032 MCS-51 CPU (ROM less Version)
これにRAMとBIOSを書き込んだROMがあれば、1984年当時でかなり高度なシステムが構築できました。
当時パソコン用では目新しかった、HDDとLANのコントローラもセットに含まれています。
また、82730 (TEXT Coprocessor)という聞きなれないLSIが含まれています。
INTEL社は当時、CPUの負荷を低減するため分散処理を積極的に推進していました。
数値演算用の80287、LAN用の82586が有名です。82730は比較的大きな処理能力が必要とされる
スクリーン処理を高速に行うために開発されました。
スクリーン処理の中でグラフィックスは現在でも専用のLSIを用いて負荷分散を図るのが普通ですが
テキスト処理にCoprocessorを使用した例はあまり聞いたことがありません。
残念ながらこの82730はあまり使用されなかったようです。
INTEL社でも80286、80386用にグラフィックス処理用のCoprocessorとして82786を発表し、こちらは
多くのシステムで採用されました。
箱には中に収められているIC類と働きが印刷してあります。
中には写真のICの位置に実際のLSIがあります。
LCCパッケージのICは左の別梱包。
本来はもう少し技術資料があったとおもいますが
手持ちのMDK-286にはこれだけ。
・ MCS-51
・ 8256
・ 8272A
・ 82062
・ 82586
・ 82730