- IMP-16C (National Semiconductor社)
・主な仕様
CPU : P-MOS型4bitビットスライス ×4
16bit長
アドレス空間 64Kword
RAM : 256word
I/O : 無し
I/F : 変形カードエッジ型両面66Pコネクタ
寸法 : 280 × 216 mm
National Semicondoctor(以下NS社)が1973年に発表した16bit型CPUボードです。
当時開発されたばかりの、4bitビットスライス型プロセッサを4個使用し、16bit語長としています。
使用されたビットスライス型プロセッサは、GPC/Pと呼ばれ、1972年に開発が始まりました。
右はIMP-16Cの中心部です。
右側と中央3個の白いICがビットスライスCPUです。
左側の白いICがマイクロコード用ROMです。
GPC/Pは最初に開発されたビットスライス型プロセッサです。
データ語長は4bit、P-MOS技術で作成されました。
GPC/Pは基本命令43種、実行時間4.2μSでした。
GPC/Pは内部に7個の汎用レジスタを持ちました。
IMP-16Cでは、実際の命令はこのマイクロコードROMに格納されています。
マイクロコードROMは拡張でき、IMP-16Cでは17種の拡張命令が使用できました。
また、マイクロコードをユーザが開発することで自由に命令の拡張が可能でした。
実際はどこまでそういうユーザがいたのかは疑問ですが...
IMP-16Cにはユーザプログラム格納用として、256word分のRAMがあります。
右はその拡大で、1101型RAMが16個使用されています。
1101型RAMは商業的に成功した最初のICメモリーです。
開発はINTEL社が行い、数多くのセカンドソースがありました。
1101型RAMは、256×1bitのStatic型RAMで、P-MOS技術で作成されています。
IMP-16CではRAMはこれだけで、スタックはCPU内部にあります。
現在では信じられませんが、スタックの深さは16レベルでした。
スタックはサブルーチンコールやテンポラリ領域として使用します。
所有しているIMP-16Cは1976年5月製です。
IMP-16には語長を4bitに減らしたIMP−4、8bitのIMP−8がありました。
しかしP-MOS技術で構成されているため、動作スピードが遅く後の8080や6800にとって変わられました。
また、ビットスライスとしての自由度も、より高速なバイボーラ型が主流になり、IMPシリーズは役目を終えました。